ヒップアップに必要?不必要?

みなさまこんにちは。
パーソネルトレーナーの亀山です。
今回は、ヒップアブダクション、ヒップアダクション。
片脚パカパカのトレーニングです。
ヒップアブダクションは寝っ転がったり立った状態で脚を開くやつ、
ヒップアダクションはマシンに座ってやるやつです。
今回はまとめてHAと表記します。

※今回の内容は個人的意見なので、
見解の相違は起こり得ると思ってます。


では、まずこのHAの理解を深めましょう
HAは脚を横に広げるという、
純粋な股関節外転運動を行います。
この股関節外転運動に関わる筋肉は、
中殿筋、小殿筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋が
順にモーメント的に筋活動が高い
です。
つまり、主動筋は中殿筋です。
もう一つの注目点として、
主動+協働で挙げた第4位までに大殿筋は入っていないです。
理由はざっくり、大殿筋で外転作用を有するのは上部繊維です。
股関節の運動軸に対し、大殿筋上部繊維では
外転に対し、筋活動量が少ないということです。
伸展、外転などの複合運動になればまた話は変わります。
では中殿筋の作用として、
中殿筋全体としての外転、冠状面における骨盤の安定化、
前部は股関節内旋、屈曲。
後部は股関節外旋、伸展
というように
1つの筋肉において真逆の作用を有しています
これは股関節周りではしばしば見られることです。
これは脚を伸ばした状態で行う、HAについての話です。
では次に、マシンに座って行うHA。
膝関節が屈曲位になることで、
膝関節を跨ぐ腸脛靭帯側に付着のある
大腿筋膜張筋を先に緊張を掛け、
中殿筋の活動量を増やすことが目的になります。

では、タイトルのHAが必要か不必要かについてです。
個人的にはヒップアップに対しては非効率的で、
直接的には必要ないと思っています

間接的には必要かな?ぐらいです
必要な場合と必要でない場合があるので、
誰もがやるべきかと言われれば、
答えに迷ってしまいますね。

ではなぜ必要ないと考えるか
単純に”負荷が弱過ぎる”というのが理由です。
では重さを足せば?という安直な意見はいらないです。
前述したように臀筋は股関節の状態次第で筋肉の作用が変わります。
作用が前後で変わるという事は、
筋肉全体を鍛えるためには、細分化が必須です
動いていない筋肉は育たないという前提の基、
前部だけ鍛えるような動きだけだと後部は発達が弱くなり、
筋自体の丸みが弱くなります

これではヒップアップが出来るとは言えないです
細分化をするということは重量も足せなくなってしまいます。
あとケーブルなどで行うスタンディングHA。
この種目は、右足開くならば左足側の中殿筋が
骨盤安定筋として等尺性収縮を行い、強く働きます。
この場合、目的は右足の臀筋ですが、左も自然と力が入る。
単関節運動で目的の筋以外の過剰な筋活動は
無駄な動き以外の何者でもないです。
あと、腰椎伸展、体幹側屈など償動作が増え、
負荷の分散が起きやすいのも望ましくはないです。
右臀筋は収縮、左は等尺性収縮。
左右交代後は疲労した左臀筋で収縮、
右は収縮後で疲労し、等尺性収縮。
目的が不明確過ぎて謎です。
あれほど安定しないトレーニングは無駄と・・・
あくまで筋肥大、ヒップアップが前提ですと付け加えておきます。

ヒップアップに必要な最も必要な筋肉は”大殿筋”です。
中殿筋ですという方もいるかもしれませんが、
筋サイズで言え中殿筋の約2倍の体積を持つのが、
人体構造上、単一の筋として最大体積を誇る
”大殿筋”という筋肉
になります。
人体において最大体積を誇るのは”大腿四頭筋”とも言われますが、
こちらは4つの筋肉のまとめとして最大体積の為、
単一の筋肉としては”大殿筋”が最大です。
最大体積の筋肉が脚パカ程度の負荷で足りるかと考えると、
圧倒的に足りないと思います。
まして、臀筋を鍛える種目を考えたときに、
重量が扱えて、安定的に誰でも出来る種目”スクワット”
があります。
あと難易度が上がりますがデッドリフトも存在します。
BIG3の内、二大巨頭があるわけです。
これらで臀筋が育たないという人がいたら是非教えてください。
どのようなフォームか反面教師にしたいので見てみたいです。

有限であるトレーニング時間の配分を考えたときに、
負荷が弱い、股関節の角度、膝関節角度を考え、
種目数を増やして鍛えなければいけないHAの
必要性は個人的にはかなり低いです。
時間が無限なら話は変わるかもしれません。
そもそも負荷が弱い時点で”鍛える”というより”動かす”です。
これは一切育たないという話ではないです。
もちろん、臀筋は育ちますが、
非効率的ではないかとという話です


では、一切必要ないかと言われればそうとは思いません
純粋な外転運動や外転・外旋の組み合わせなどは
リハビリでも使われいます。
つまり、動きが出ない人にはしっかりと効果があります
臀筋群の非活性化はよくあることなので、
私も入会したばかりの人や臀筋のアクティベートが必要な人には
取り入れたりもしています。
なのでそういった場合は”必要である”と考えています。
非活性化とは筋肉が上手く収縮が掛からなかったり、
収縮が掛かり過ぎて伸びなくなったりなどの、
筋本来の機能を失った状態を指して言っています。
そういった人には、逆に脚パカなどの単関節運動で、
筋肉を動ける状態にせずにスクワットをやれば、
簡単に怪我をしてしまいます。

ではそうでない人は?
クワットでしゃがめばいいですし、
体幹屈曲が上手く出来ないなら
ブルガリアンスクワットもありますし、
動ける人ならばデッドリフトもあります

なので不必要かなと考えています。
再度、言いますが個人的意見ですよ。

まとめ

なんでこんなにヒップアップなどに
HAが活用されまくるのかが謎です。
しかも筋肥大、ヒップアップ的に。
もちろん、前述したようにメリットもありますが、
筋肥大、ヒップアップを目的とするならば
大変、効率が悪く感じます。
近々、SQではなく、HAでヒップアップを狙う人が
何故いるのかについての考察記事を出そうと思っています。

この記事を書いた人

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。