KONDOです。
今日はダイエットと平行して人気な部位
「お尻」いわゆるケツトレについて詳述します。
女性が筋トレをする目的部位として
筆頭候補であり
運動機能として非常に重要な部位ですね。
それゆえにバイオメカ・解剖学に
沿わない滑稽なフォームのトレーニングが
流行りがちです。
この記事を読んでいると
「え~?」となるかもしれません。
実際Instagram等でモデルさんなどが
せっせとケツトレをしている動画などが流れてて
その種目=ケツトレに良い みたいな構図が
安易にも構築されてしまっているだけなので
お尻の筋肉のことを理解すれば
「あ、確かに」となる内容となります。
ヒップアップの条件
そもそもヒップアップは臀溝
お尻とハムストリングの境目(段差)
を高くすることを指します。
この臀溝あたりに脂肪が多いと
だる~んっとしたお尻の感じになってしまいます。
ということで
1つ目のヒップアップの条件が
臀溝部分の体脂肪が減る事。
つまりは除脂肪ということになります。
腹筋はキッチンで作られる的な文言と被りますね。
2つ目は
無論、筋肥大です。
臀部の筋肥大を要します。
臀溝の体脂肪が仮に減ったところで
肝心なお尻の筋肉が少なくフラットだと
ただただのっぺりしたお尻になりますね。
そもそも体脂肪が少ない場合は例外ですが
知っての通り筋肥大とダイエットを
同時進行することはできません。
ということは長期的な目が確実に必要です。
3つ目は
骨盤が前傾することです。
いくらお尻に筋肉が発達していても
骨盤が後傾していたら見栄え的には
お尻がクイっと見えませんよね。
なので若干というか少々本来よりやや強めに
前傾しているとヒップアップした見栄えになります。
お尻がある程度発達している
女性トレーニーは骨盤の前傾が
非常に強いことがほとんど(当ジムに来た選手たち)で
これはポージングなどの影響あるいは
お尻意識のトレーニング過多で
そうなってしまっているのです。
ということで
余分な脂肪を削り、お尻の筋肉を発達させ、
加えて骨盤前傾をほんの少し強めな感じに
していかなければならないということです。
もっとシンプルな話,
骨盤の前傾が強めになれば
ヒップアップした感じに見えるということです。
お尻の筋肉
お尻の筋肉、臀筋と言いますが
臀筋と一口に言っても大きく3つあります。
大臀筋、中臀筋、小臀筋。
文字通り大きさが大中小で表→内な順です。
大臀筋には上部・下部ありまして役割も違います。
起始停止や作用は各自調べてくださいね。
その起始停止を見て頂ければ分かると思いますが
お尻はエキセントリック(伸び)の時に出力が強く
実際日常生活における大臀筋の筋活動が最も高いのは
歩行時に足を前に振り出した際の足底が
地面に完全につくまでの瞬間になります。
ということで
お尻の筋肉ががストレッチされる状態にして
元に戻るという動作が効率良いとなります。
効率というかセオリーです。
これが分かれば
ワイドスクワットがケツトレに
非効率であると分かりますね。
そもそもワイドスクワットはケツ種目ではないですけどね。
つまり
股関節屈曲からの股関節伸展が
深く完璧に遂げられる動作
の種目を行うべきということになります。
どちらかというとハムの働きが弱まり
大臀筋の働きが強まる,ということです。
筋肉の起始停止・作用・筋電図などなど
その点をどれもみても
股関節屈曲・伸展が最重要とわかりますね。
感覚という邪魔者
上記の通りお尻の筋肉をしっかり伸ばすため
股関節屈曲させる必要性が出てきます。
しかしながら巷に溢れるケツトレ種目は
どれもそれとは反するモノが多いです。
いわゆる収縮感のギュっという感覚が強く出る
種目が好まれて行われているのです。
確かにやっていると凄くお尻に効いていると
思う方が多いと思うのですが普通に
立位でお尻を収縮させようとすれば
誰でもいとも容易くできるはずです。
要するに負荷のベクトルが一致していなかったり
負荷がかかってもかかっていなくとも
その収縮感というのは生まれるということです。
でも実際ヒップアップしたって人いますよ?
今一度ヒップアップの条件を見返してみてください。
体脂肪が少ない状態で筋肥大させる必要がありますが
知っての通りそう簡単には肥大しません。
特に女性は男性ホルモン分泌量的にも言わずもがなです。
「筋肉は簡単につかない」とよく言われているのに
都合よくお尻だけ特例とする様な感覚はおかしいですよね。
そして誰もそれに口出ししないのも不思議です。
男性ホルモン分泌量的に少ない女性が
短期間に臀部だけ肥大できるとは
決して言えない事実じゃないでしょうか・・・?
または長期間トレーニングと
オーバーカロリーの食事を継続していって
筋肥大+体脂肪で大きくは見えるかもですが
短期間でのヒップアップの答えは骨盤の前傾にあります。
骨盤が前傾するとそれだけで誰でも
ヒップアップした様に見えますからね。
となると見栄えはよくなります?が
色々と弊害が出てくることは否めません。
腹圧は正しくかかるでしょうか?
ほぼこれはあり得ないことでしょう。
腰にストレスなくフルスクワットできるでしょうか?
よく分からない理論をかざして
できないのにやらないという風にして
浅いスクワットをやっていないでしょうか?
この件についてはKAMEYAMAが
こちらの記事にて詳述しております。
日常生活で痛みなく過ごせるでしょうか?
ということで
この完全収縮位になる手前から収縮だけする
ポジションのトレーニングばかりやっているのは
大臀筋の筋肥大に焦点をおくと非常に非効率
だということが言わずもがな分かりますね。
どの種目が最良か
先述のとおり
股関節屈曲からの股関節伸展が
深く完璧に遂げられる動作が重要になるので
スクワットとデッドリフトが挙げられます。
非常に強烈な負荷となり得ますから
これら以上の種目はありません。
さらにこれらの種目は重量を積めるため
漸進性にのっとって行っていくことができ
一時的な成長で留まらせません。
長期的に考えると非常に有意義ですよね。
しかしながら非常に難しい動作となります。
難易度でいうとトップレベルとなり
正しいフォーム指導が必須となります。
そのため特にデッドリフトなんかは
避けられる種目第1位と思われます。
当ジムではガンガンやりますけどね。
寧ろやれる状態までもっていく感じです。
そこでブルガリアンスクワットが挙げられます。
この種目の良いところは
・片足で行うということ
・股関節をしっかり動かせるということ
であります。
片足になることで中臀筋の筋活動が最も高くなり
且つ股関節をしっかり動かせるため
お尻への刺激は非常に高まります。
よくバンドやケーブルを片方の足首につけて
もう片方の足で片足立ちして
股関節を外転(横に脚を挙げる)させて
お尻をパンプさせるように
トレーニングされている方が多いのですが
これをやっていると動かしていない
片足立ちしている足のお尻の方が
疲れたりしてくる方も居ますけど何故でしょう?
考えてみて下さい。
またブルガリアンスクワットは
スクワットやデッドリフトと違い
脊柱に負荷が乗らなくなるため
怪我のリスクが減少します。
ということで
スクワットとデッドリフト、ブルガリアンスクワット
そこにサイドウォーク通称カニなどを加えれば
もうそれで十分ということになります。
実際これらのスタンダードな種目を適切に
行うことが非常に難しいです。
ヒンジがしっかり行えないと話にならない
そんな種目たちです。
悪手
股関節屈曲を伴わない動作は
悪手ないしは微妙という結論になります。
当ジムの我々の考えからすると
片足に負荷をかけてそれを股関節外転するような動作や
股関節伸展させるような動作は決してやりません。
ケーブルアブダクションやケーブルヒップエクステンション?、
スミスマシンドンキーレイズ?など。
代償動作として腰椎にストレスがかかりやすいことと
解剖学的に見て非効率的なトレーニングで
あることは明白であり物理的にも疑問符が
浮かぶ種目が多く存在しています。
一昔前にSNS上で議論を生んだ
「ヒップスラストはケツトレに非効率」
というアジェンダ。
実際筋電図で計測すると
ヒップスラストの刺激は非常に大きくそれが故に
ケツトレのマスト種目的に一部で言われてましたが
それは筋電図の性質が故起こる現象です。
(筋電図の性質については各自調べてください。)
ヒップスラストはボトムで負荷が抜けるため
筋肥大においてケツトレのマスト種目とは言えないでしょう。
加えてある程度重量が積みやすい状況となり
腰を痛める可能性が比較的高い
ということも微妙という結論の理由の1つです。
ヒップスラストは骨盤の前傾が少々
強くなってきたかなって時に行ったりして
骨盤の後傾を促したりする感じで
やることはあります。
そう,骨盤の後傾を促す・・・んです。
筋肥大についてはコンセンサス的に
コンセントリックもエキセントリックも等しく重要で
しっかり可動域を広くとって動作する事が肝。
あとニーリングスクワットなんかは論外ですね。
よく東京都のモデルがパーソナルジムで
トレーニングしている動画を
Instagramにて掲載していることが多いですね。
上記記事内にてしっかりと理論的に記述されてますが
重力というものと負荷のかかり方、
大臀筋という筋肉の起始停止、作用を考えると
ケツトレの種目としては選択肢として
決して浮かんでこない種目の筆頭候補のはずです。
しっかりと上記リンク先記事を読んでください。
ヒンジ動作の獲得のための練習として
バンドで後ろから負荷を足して行うことはあります。
まとめ
お尻のギュッとした感覚たよりに
トレーニングを積んでくると
今後の種目の選択肢が減っていきますし
何より骨盤前傾過剰で将来的なリスク大です。
スクワットとデッドリフトを
しっかりこなせるようにしましょう。
基礎基本動作になりますから
基礎をしっかりと、次に応用です。
どの種目を選択してやろうと自由です。
それが非効率だろうと
やっていて効いているという感覚が好きな方も居ますから
怪我だけしないようにしましょう!
トレーニーの方々は自分の好きなようにやって
まったく問題ありません。
ただ我々はパーソナルトレーナーである以上
結果が出るも出ないも
指導者であるためその点は理論的に説く必要がありますので
少々長文ですが,こんな感じです。