ベンチプレス13

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
この世には、様々なやり方の
ベンチプレスがあります。
中には初心者向きのトレーニング本に
書いてあることをそのまま引用し、
一切理に適っていないフォームを
然も当然のように正しいフォームとして
ブログや記事にしているところがある印象です。
特に、初心者客の多いパーソナルジムなど
でよく見ますね。
前回、手首について徹底的に私の理論を
展開しました。
今回は、
「ベンチプレスにおける肩甲骨を寄せるかどうか」に
ついて私なりの考察をしていこうと思います。
真っ先に言うと私は
”肩甲骨を寄せる”は間違いと考えています

全然関係ないのですが、バーベルチェストプレスを
ベンチプレスと言わないでください。
全く別の種目ですよ。
リアローイングとベントオーバー並みに違います。

そもそも肩甲骨を寄せるとは?

今回の記事を読み進める上で、
必要な前提知識があります。
それは、”肩甲骨を寄せる
これが解剖学的にどういう状態なのか?
まずはこれを知らなければいけません。
”肩甲骨を寄せる”ならば解剖学的には
肩甲骨の内転”が一般的解釈かなと。
肩甲骨内転作用を担う筋肉は、
僧帽筋中部、菱形筋になります。

肩甲骨内転状態でのプレス動作

ベンチプレスは胸に付けるまで行います。

中途半端な切り替えしは危険

中途半端な位置での切り替えしは、

肘関節などに負荷を乗せるため、おすすめはできません。
重量は胸に付けるよりは扱えますが、カッコ悪いので、
私はそういったベンチプレスを
肘プレス”と呼んでいます。
アーチを組めない人は胸まで下げると
肩への過剰なストレッチが掛るため、
それは仕方がないと考えています。


肩甲骨内転状態で胸まで
バーベルを下ろす動作を行うと、
肩関節の内旋が起こり、前腕は倒れます
胸のトレーニングにおいての肩関節の内旋は、
肩を痛めます。
前腕が倒れれば、肘も痛めます。
それだけではないです。
アーチも組めなくなります。
肩甲骨内転はななめ上側に力発揮のベクトルが向きます。
アーチを組む際の力は、ななめ下側への力発揮のベクトルです。
胸椎伸展を行うわけですから、脊柱の屈曲側になるのは当然です。
この拮抗した、反対方向への力が加わった状態でアーチが組めるかどうか。
まして、ベンチプレスで高重量を持った状態で固定し続けれますかね?

腰椎伸展で代償動作を行えば、
それっぽい形には見えますが、
腰を痛めたりする、そもそものアーチの
意味がないですね。
あと、肩甲骨が内転していると
フィニッシュポジションで肩甲骨が開き、
アーチが崩れます。
そのような状態を正しいと言えるのでしょうか?
疑問が浮かびますね。
個人的には動作中にフォームの崩壊を
招く動きが、入っている時点で
種目としては破綻していると思います。
つまり、私個人の見解で言うならば、
”肩甲骨を寄せる”は間違いであると結論付けます

ではどのように行うべきか?

肩甲骨の下制・下方回旋
これが私の答えです。
肩甲骨を寄せる”に近い言いましとして、
私は”下制・下方回旋”を
肩甲骨をしまう”と
個人的には言葉付けています。
よくベンチプレス経験者の方が、
肩甲骨をポケットにしまう感覚といいますが
聞いたことはありますか?
そこから言葉をパクっています。
肩甲骨の下制は、僧帽筋下部、小胸筋が担い、
下方回旋は菱形筋、僧帽筋下部、小胸筋が担います。
胸椎伸展して2nd外旋ポジションから、
肩を下げていくとなんとなくはまる感覚がでます。

kこここから
下げていってはまる部分

その位置が正しい肩甲骨の位置です。
この位置でなら肩甲骨を固定した状態で、
ベンチプレスの挙上動作を行っても、
ブレることなく安定的に動作を行うことができます。
ただし、ある程度の慣れは必須です。

もちろん、違うやり方もあるとは思いますので、
あくまで私個人のベンチプレス時の肩甲骨に対する答えです。

そもそもなぜ”肩甲骨を寄せる”と言われるのか

ここに関しては完全な考察になるため、
そのことを念頭に置いておいてください。

なぜ肩甲骨を寄せるのか?
前項にて、”肩甲骨をしまう”と
肩甲骨を寄せる”、
この二つの動作に共通の筋肉がありました。
そう、”菱形筋”です。
同じ筋肉である以上、感覚が出る部分は同じです。
これが”肩甲骨をしまう”と”肩甲骨を寄せる”が
間違えられる理由
と推測します。
経験者の感覚では”しまう”を”寄せる”と表現し、
この意味合いの違いを理解せずに広まったのではと推測しています。
あくまでアーチの形などに明確な名称が
あるわけではないので、言葉は人それぞれ、
決して経験者が悪いとかではないです。
なので、まず一つの理由としては「言葉の齟齬」と思えます。

次の理由はエゴトレーニーあるある。
分からないのに知ってる風を装い、
見様見真似で行う
歴だけ伸びて体の成長と体のサイズが比例していないエゴトレーニー達は、
プライドが高く、人に教えることに優越感を感じ、間違ったフォームを形だけで伝えていく。
「自分は知っている。人に教えることができる。
自分凄い。」
自分が知らないことを知らない
一度、デルフォイのアポロン神殿に赴き、神託を受けた方がいいんじゃないですかね。
”肩甲骨を寄せる”はベンチプレスのアーチっぽい形が出来るため、
知らずに行えば、それが正しくも思えます。
”アーチを組む”を頭で理解して行わないため、
”肩甲骨を寄せる”と結論が付いてしまうのではと思えます。

最後に書籍やブログの問題。
ベンチプレス12で”手首を立てる”と
初心者向けトレーニング本に
書いてあると言いました。
同じようにそういった書籍やブログには
”肩甲骨を寄せる”と表現される場合があります。
寄せる”と”しまう”。
同じ、菱形筋を使用していたとしても
本質的には全くの別物です。

まとめ

私はベンチプレスについてたくさん書いてます。
これらはあくまで私個人のやり方ですので、
数あるやり方の一つぐらいに思っていてください。

好きにやったらええ。
ただの趣味やもん。

えじお(1994~)


この記事を書いた人

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。