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2025.03.07

EAA(必須アミノ酸)の追加摂取は必要か?

こんにちはTOMOAKIです。
オンラインコーチングやパーソナルの
クライアントさんからよく質問されるのが
「食事やプロテインで十分タンパク質が摂取できていてなお
 EAAを追加で飲むことで恩恵はあるのか?」

ということです。

そこで今回は国際スポーツ栄養学会(ISSN)の声明をもとに
解説していきます。

International Society of Sports Nutrition Position Stand:
Effects of essential amino acid supplementation on exercise and performance

ISSNのポジションスタンドに基づくEAAの有効性

こちらの声明では、
EAAの摂取が運動やパフォーマンスに与える影響について、
最新の科学的根拠を基にまとめられております。

質問者さんの必要性を考える前に
まずはこの声明の中で言われている有効性から見ていきましょう!

筋タンパク合成を促進

その中で、EAAは筋タンパク合成を促進する効果があるとされ、
特に遊離アミノ酸の形で摂取することで、
消化の必要なく血中アミノ酸濃度が急速に上昇し、
即座に筋タンパク合成が活性化されると報告されております。

加齢による筋肉のアナボリック抵抗性に有効

また、加齢による筋肉のアナボリック抵抗性に対しても
有効である可能性
が指摘されております。

高齢者では、食事からのタンパク質摂取に対する
筋タンパク合成の反応が低下することが知られておりますが、
ロイシンを多く含むEAAを摂取することで、
この抵抗性を克服しやすくなると述べられております。

カロリー不足時の筋肉維持に貢献?

さらに、カロリー不足時の筋肉維持にも貢献する可能性が示唆されており、
減量中のアスリートや食事制限を行う方々にとって有益であると考えられます。

より効果的な摂取タイミング

運動前のEAA摂取に関しても、運動後の摂取よりも筋タンパク合成を
より効果的に促進する可能性が示唆されております。
運動による血流増加と組み合わせることで、
アミノ酸の筋肉への取り込みが効率的に行われる
ためと考えられます。

筋トレ以外にも役立つ可能性

また、EAAは筋力トレーニングだけでなく、
持久系運動(ランニングやHIIT)でも筋肉の分解を抑制し、
パフォーマンス維持に役立つ可能性
が報告されております。

安全性について

安全性についても、EAAの摂取は一般的に安全であり、
一日に100g以上摂取した場合でも健康に
悪影響を及ぼすエビデンスは確認されていないとされております。

ただし、腎疾患や特定の代謝異常を持つ場合には
注意が必要と考えられます。

タンパク質摂取が十分な場合に追加でEAAを摂ることは有効か?

ISSNの報告ではEAAの有用性が強調されておりますが、
すでに十分なタンパク質を摂取している場合に
追加でEAAを摂ることがどの程度のメリットをもたらすかについては、
現時点では明確な結論が出ておりません。

そのため、既存の栄養学の知見を基に、
EAAの追加摂取がどのような条件下で有効性を持つか、
または限定的な効果しか得られない可能性があるかについて考察します。

筋タンパク合成の刺激の上限を満たしている場合

筋タンパク合成の刺激には一定の上限があると考えられており、
すでに十分なタンパク質を摂取している場合には、
追加のEAA摂取による効果が限定的である可能性
があります。

例えば、体重1kgあたり2.0g以上のタンパク質を摂取し、
適切な間隔で食事をしている場合、通常の代謝状態においては
筋タンパク合成が最大限に活性化されている可能性が高いと考えられます。

ただし、筋タンパク合成の閾値や上限には個人差があり、
一律に「追加のEAA摂取が無意味である」と断言することは難しいのが現状です。

コストパフォーマンスの観点から

EAAの摂取を検討する際には、コストパフォーマンスの観点も重要となります。
EAAはホエイプロテインなどの通常のタンパク質よりも価格が高く、
1gあたりのコストはプロテインの数倍に及ぶことが一般的です。

プロテインにはEAAがすべて含まれており
特に食事から十分なタンパク質を摂取できている場合には、
プロテインを活用することで必要なアミノ酸を補給することが可能です。

そのため、通常の食事やプロテインで十分に
タンパク質を補給できる環境にある場合、
EAAを追加摂取する必要性は低く、
コスト面を考慮すると効率的とは言い難い
場合もあります。

まとめ

EAAは筋タンパク合成を促進し、特に運動前や
運動中の摂取が有効である可能性が示唆されています。

また、加齢によるアナボリック抵抗性の克服や、
カロリー不足時の筋肉維持に貢献する可能性があることが、
ISSNの声明でも述べられています。

さらに、持久系運動においても筋肉の分解を抑える効果が期待され、
安全性の面でも問題はほぼないとされております。

しかし、質問にあったすでに十分なタンパク質を
食事やプロテインで摂取できている場合、EAAを追加で
摂取することで得られるメリットについては明確な結論が出ておりません。

筋タンパク合成には一定の上限があり、
それを超えてEAAを摂取した場合、
さらなる効果が得られるかどうかは定かではない
と考えられます。

また、EAAはホエイプロテインと比較してコストが高いため、
費用対効果の面でも慎重に検討する必要があります。

ISSNの報告を踏まえた上で、現時点では
「すべての人にとって必須のサプリメントである」とは言えず、
状況に応じて選択すべきものと考えられます。

ちなみに自分はタンパク質食事とプロテインから十分取れているから
なくていいや!って感じでここのところずっと摂取してません。

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TOMOAKI

パーソナルトレーナーでFLEXER COACHINGのメインコーチ。ブログでは主にオンラインコーチング上で得た知見のシェアや減量(ダイエット)、筋肥大に関する記事を執筆しています。

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