2025.02.21
食べる順番による血糖値の変化が健康に影響を与えるのか?

こんにちはTOMOAKIです。
今回は食べる順番についての考察です。
食べる順番によって
その後の血糖値の変動に多少違いが出てきますが
それが健康において何か利点は
あるのでしょうか?
「炭水化物を最後に食べると
血糖値が上がりにくくなる」という話は、
いくつかの研究で支持されていますが
そもそも食後の血糖値の変動が
健康にどれほどの影響を与えるのかについては、
それほど単純ではありません。
血糖値の「短期的な変動」と「長期的な健康リスク」
短期的な血糖値の上昇は、
健康な人にとってそこまで大きな問題ではありません。
なぜなら、健康な人であればインスリンの
働きによって血糖値は正常範囲に戻るため、
一時的に血糖値が高くなったとしても、
すぐに体が調整してくれるからです。
ただし、血糖値の急上昇と急降下(血糖スパイク)が
頻繁に起こると、長期的に健康リスクが
高まる可能性があることが指摘されています。
例えば、以下のような影響が考えられます。
- インスリン抵抗性の発生
頻繁な血糖値の急上昇と、
それに伴うインスリンの大量分泌が続くと、
細胞がインスリンの働きに鈍感になり、
インスリン抵抗性が進行する可能性があります。
インスリン抵抗性が悪化すると、
2型糖尿病のリスクが高まることが知られています。 - 動脈硬化の進行
血糖値が急上昇すると、
血管に炎症が起こりやすくなり、
動脈硬化のリスクが高まることが報告されています。
特に、食後高血糖(食後に血糖値が異常に高くなる状態)が続くと、
心血管疾患のリスクが増加する ことが
研究で示唆されています(Ceriello et al., 2008)。 - 空腹感の増加と過食のリスク
血糖値が急上昇すると、
インスリンの働きによって
その後急降下することがあります。
この血糖値の急降下(低血糖状態)が起こると、
強い空腹感を感じやすくなり、
結果的に食べ過ぎを引き起こす可能性があります。
「食べる順番」の影響はどの程度のものなのか?
炭水化物を最後に食べることで、
確かに血糖値の上昇を抑えることが
できるという研究はいくつかあります(Shukla et al., 2014)。
ただし、これはあくまで食後の血糖値の
変化に関する短期的なデータであり、
長期的に健康にどれほど影響を与えるのかは、
まだ明確な結論が出ていません。
つまり、血糖値の急上昇を抑えること自体には
メリットがあるものの、「炭水化物を最後に食べるだけで
健康が大きく改善する」と断言するのは難しい
というのが現時点での科学的な見解です。
また、糖尿病患者やインスリン抵抗性がある人にとっては
「食べる順番」が血糖管理に役立つ可能性がありますが、
健康な人にとっては、それほど劇的な変化を
もたらすわけではないかもしれません。
結論:「食べる順番」よりも「食事全体のバランス」が大事
食べる順番を意識することは、
血糖値の短期的な急上昇を抑える一つの方法として
もしかしたら有効かもしれませんが
健康な人はそこまで気にする必要はないようです。
長期的な健康を鑑みたときに
食事の順番よりも、断然食事全体の質やバランスのほうが、
血糖管理や健康維持にとって重要です。
- 総摂取カロリー(過剰なカロリー摂取を抑えることが最も重要)
- マクロバランス(三大栄養素のバランスが重要)
- 運動習慣(食後の軽い運動が血糖管理に有効)
こうした要素を総合的に考慮するほうが、
単に「野菜を先に食べる」よりも
健康への効果が大きいと考えられます。
こうした食習慣の方が、
単に「食べる順番を変える」よりも、
長期的な健康維持にとって重要といえるでしょう。