運動と加齢に伴う炎症

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は生涯にわたる運動は加齢に伴う低レベルの炎症を抑えるか?についての
論文を引用していこうと思います。

論文

本研究では、マスターアスリートと訓練を受けていない中高年成人の
ベースラインの炎症プロファイルの比較を系統的に分析し、生涯トレーニングを受けた人が
訓練を受けていない年齢をマッチさせた人よりも安静時の抗炎症プロファイルが高いかどうかを評価することを目的とした。
さらに、マスターアスリートと訓練を受けていない若年成人(低悪性度炎症の徴候がない健康な対照)との
比較も系統的に評価し、一貫した生涯運動習慣が加齢に伴う低悪性度炎症に対抗できるかどうかを探った。

合計17件の研究 (参加者 n = 649 人) が定性的および定量的統合の両方に含まれた。

本研究では、加齢に伴う低悪性度炎症に対する生涯運動の影響に光を当てるため
健康なマスターアスリート、トレーニング経験のない中高年者、トレーニング経験のない若年者を
比較した科学的研究を系統的にレビューした。
今回のシステマティックレビューとメタアナリシスから得られた主な知見によると、
少なくとも10年以上の一貫した構造化されたトレーニング経験によって定義される生涯運動は
年齢をマッチさせた未トレーニングの被験者と比較して、
ベースラインのCRPレベルの低下と抗炎症性IL-10レベルの上昇と関連している可能性が示唆された。
さらに、CRPとIL-10の所見は、運動強度に依存せず、女性参加者の除外による影響もないことが示された。

同じように、IL-6(一般的に炎症性サイトカインと考えられている)の減少傾向が主要解析で観察され
男性被験者と持久力トレーニングを受けたアスリートをサブ解析すると統計的に有意となった。
これらの結果を総合すると、加齢に伴う慢性的な全身性炎症に対して、
生涯にわたって構造化された運動パターンが有効である可能性が示唆される。
しかしながら、マスターアスリートと若年者におけるいくつかのサイトカイン(IL-6、IL-10、TNF-α)のレベルを比較した分析によると、
限られた数の研究に基づいたCRP分析を除いては、生涯トレーニングを受けている中高年者は、
トレーニングを受けていない若年者よりも炎症性プロフィールを示す可能性があることが示された。
最後に、IL-8およびIL-17レベルに対する生涯運動の効果は見いだされず、
TNF-α分析では、年齢をマッチさせた非トレーニング対象者と比較して、
男性のマスターアスリートでレベルが上昇することを示唆する、限られたエビデンスしか得られない複雑な結果が得られた。

本メタ解析によると、マスターアスリートは、年齢をマッチさせた非トレーニングの健常者と比較して、
CRPおよび潜在的にはIL-6のベースライン循環レベルが低下し、抗炎症性IL-10のレベルが高いことを示す可能性がある。
しかし、現在得られているエビデンスによると、訓練を受けていない若年成人は、
生涯訓練を受けている中高年成人と比較して、安静時のIL-6とTNF-αのレベルが低く、IL-10のレベルが高い。
これらの知見は、レビューされた研究のほとんどが低~中程度の質であり、いくつかのプール解析ではかなりの異質性が観察され、
そのうちのいくつかは限られた数の研究を含んでいたため、慎重に考慮されるべきである。
マスターアスリートを対象とした更なる研究では、加齢に伴う低悪性度炎症の理解を深めるために、
高感度な方法を用いた炎症性バイオマーカーパネルの縦断的検査を実施し、
白血球数や表現型などの様々な炎症指標を分析し、
関連する交絡因子(主に栄養、体組成、運動の種類、性別など)が報告された知見に及ぼす
潜在的影響を考慮することが有益であろう。

まとめ

炎症系にも運動はいいですね。
一回、二回の運動とかではなく出来る範囲で運動を続けれると
デメリットもほぼなくいられるかなと思います。
トレーニーみたいなハードに腹圧かけて血圧上げての運動は健康ではないので悪しからず。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。