みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は運動は抗うつ薬やセラピーよりも優れているわけではないという
記事を引用していこうと思います。
引用
「運動は薬物療法や認知行動療法の1.5倍の効果がある」という誤解を招く見出しは、
ニュース、ポッドキャスト、ビデオ、ブログなどを通じて何百万人もの人々に広く流布されている。
この主張は、メンタルヘルスのための身体活動介入に関する「非常に質の低い」過去のシステマティックレビューから
得られた効果量の比較によって誤って生まれたものである。
著者らが比較対象として用いた95%信頼区間が重複しており
方法論的に実質的に優れたシステマティックレビューであることから、
著者らは、運動は(軽度の症状において)「(薬物療法に)匹敵するか、わずかに優れている」という、より正確な声明を発表した。
運動が他の第一選択治療法よりも効果的であると主張することは、
虚偽で誤解を招くだけでなく、運動とメンタルヘルスの分野の人々の評判と信頼性を損なうものである。
運動は他の第一選択治療よりも1.5倍優れているというエビデンスに基づかない主張が広く流布することは、
そのような見出しのために専門家の支援を求めるのが遅れたり、薬の服用をやめたり、
治療に通わなくなったりする弱い立場にある患者への直接的な害につながる可能性がある。
さらに、すでに抗うつ薬を服用している人の場合、医師の監督なしに突然中止すると、
めまい、脱力感、吐き気、頭痛、不眠などを特徴とする離脱症状につながる可能性がある。
さらに、メディアの主張は、うつ病における運動のエビデンスは、
ほとんどが軽度から中等度の症例にあることに言及していないことが多い。
では、実際にどのようなエビデンスがあるのだろうか?
ランダム化比較試験の最近の2023年のメタアナリシスでは、
運動は抑うつ症状を減少させるという大きな効果が認められるという印象的なものであった。
このことから、運動は軽度から中等度のうつ病の治療において、
第一選択となる単剤療法として国のガイドラインに採用されている。
しかし、抗うつ薬と比較した場合、ランダム化比較試験の最近の2022年のネットワークメタ解析では、
非重症うつ病の成人において、抑うつ症状の軽減において運動と薬理学的介入との間に差はないことが明らかにされた2。この知見は、後に2023年に行われた抗うつ薬とランニング療法との比較試験でも再現され、
両者ともうつ病の寛解に対して同等の効果があることが明らかになった。
実際、運動は抗うつ薬や療法に追加する形で使用され、有効性が向上している。
このように、運動は患者がうつ病を治療するために利用できるいくつかのツールのひとつであり、
患者の嗜好を決定するためには、十分な情報に基づいた話し合いが不可欠である。
これは、うつ病の治療において、運動、薬物療法、セラピーがすべて同じであるということを意味するのか?
短い答えはノーである。運動には抗うつ効果だけでなく、多くの多臓器にわたる利点があり、
それは抗うつ薬の副作用とは対照的であることが多い。
すなわち、運動は体重、ウエスト周囲径、血圧、心拍数、心拍変動などを改善することが知られているが、
抗うつ薬には体重増加、疲労、性機能障害などの副作用がある。
抗うつ薬の試験において、このような有益な多系統の効果や有害事象が多いにもかかわらず、運動介入の脱落率は高い。
これはおそらく、抗うつ薬のような薬理学的介入と比較すると、運動は身体的に負荷が高く、
実施が難しいという事実から生じている。
このため、運動の有益性を理解し、障壁に対処し、明確な運動の「処方」を提供し、
開始とアドヒアランスを高めるために行動変容のテクニックを取り入れる責任が医療提供者に課せられている。
結論として、軽症から中等症のうつ病の場合、運動は抗うつ薬やセラピーに匹敵する効果があるが、
このような視点は、すべての患者の寛解を長期的に達成することを目標とする臨床家にとってはあまり役に立たない。
10~12回の認知行動療法でうつ病が完全に寛解すると主張するのが正しくないのと同様に、
運動だけで複雑な精神衛生上の問題を解決できると主張するのも見当違いである。
実際には、臨床医は患者を長期にわたる治療によって導き、思慮深い薬物管理を行い、
継続的な運動の習慣を育てることによって、長期的な寛解を達成している。
まとめ
運動を過信しないというのも大事ですね。
ライト層というか一次情報を調べないと色々なところに騙されてしまう事があります。
実際パーソナルのブログ関連でもうつと運動を調べると様々な意見がありますが
専門医の意見を大事にしてください。
専門医もピンからキリまでありますが。
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