筋トレを行っている人の運動単位放電率

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は慢性的に筋力トレーニングを行っている人の急速収縮時の
運動単位放電率についての論文を引用していこうと思います。

論文

本研究では、慢性的に筋力トレーニングを行っている(ST)肘関節屈筋群と膝関節伸筋群の2群について、
それぞれ急速収縮を行ったときの力の発生速度と運動単位(MU)の放電特性を評価し、
トレーニングを行っていない対照群(UT)と比較した。
筋力トレーニングを受けた人は、初期の運動単位の放電速度が大きいが、
グループ間の運動単位の放電速度の差は、相対的な力の発達速度の差につながるには
不十分な大きさであろうという仮説を立てた。

調査は、肘関節屈曲筋(実験1、n=13、トレーニング経験6±4年)
または膝関節伸展筋(実験2、n=11、トレーニング経験9±4年)を
トレーニングした慢性ST男性の2つの独立したコホートで行い、UT(それぞれn=12、n=10)と比較した。

結果として、筋力トレーニングを受けたコホートでは、トレーニングを受けていない対照群と比較して、
急速等尺性収縮における肘関節屈曲筋および膝関節伸展筋の力の絶対発達速度がより大きいことが観察された。

長期の筋力トレーニングを受けた群では、急速収縮における初期運動単位の放電速度が大きかったにもかかわらず、
相対的な力の発生速度が大きくなることはなかった。
これらの知見は、急速収縮時の最大運動ニューロン出力は、
未訓練者に比べて筋力訓練者の方が大きいが、
利用可能な力発生能力の発現(すなわち、相対的な力発生速度)には明確な影響がないことを示唆している。

結論として、この研究では慢性的に筋力トレーニングを受けている個体において、
急速収縮中の力発生速度と運動単位の放電特性を評価した。
この個体では、急速収縮の初期段階において、力発生の絶対速度が大きく、
初期放電速度が高く、1秒あたりの運動単位の平均放電回数が多かった。
興味深いことに、脊髄の出力が増大したにもかかわらず、相対的な筋力発生速度の増大には至らなかった。
これは、筋力トレーニングの長期継続が、内在的な収縮筋特性の鈍化に相反する効果をもたらすためと考えられる。
全体として、本研究は、慢性的に筋力トレーニングを受けた人において、最大運動単位放電速度がより高いという証拠を提供する。

まとめ

トレーニングにおけるプラスの部分は多岐にわたりありますが
長期的なトレーニングをしても根本の部分で変えられない部分もありますね。
とはいえ日常的な些細な悩みは遺伝よりも
習慣の影響も強いでのしっかり運動習慣は維持できるといいです。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。