振動と高齢者の姿勢制御について

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は感覚に訴えない振動ノイズは高齢者の姿勢制御の
生理学的複雑さについての論文を引用していこうと思います。

論文

この研究では、振動によって引き起こされる姿勢制御システムの機能の改善が
立位姿勢動揺の複雑さの増加に関連しているという仮説を立てました。

74±8歳の健康な高齢者12名が3回の訪問を完了し、感覚閾値の0% (振動なし)、
70%、85%での足裏振動の効果をテストしました。

本研究の結果から、健常な高齢者では、立位時に足底の体性感覚機能が優れているほど
内外側(ML)姿勢動揺の複雑さが大きくなる傾向があることが示された。
さらに、ML姿勢動揺の複雑さが大きい人は、タイムドアップアンドゴー(TUG)でより良い成績を示す。
足底に感覚閾値の70%と85%の振幅で振動ノイズを加えると、高齢者のML(APは含まない)姿勢動揺ダイナミクスの
生理学的複雑性が有意に増大した。
重要なことに、この振動による生理学的複雑性の増大は、TUGパフォーマンスの改善と相関していた。
これらの結果は、高齢者における姿勢動揺ダイナミクスの生理学的複雑性が、
足底の感覚下振動によって増強され、さらに、姿勢制御システム全体の機能性を示す
マーカーとして機能する可能性があるという新たな証拠を示している。

結論として、本研究では主に女性で、大きな疾患や障害のない高齢者のコホートに基づいて行われた。
したがって、今後、より大規模な男女のサンプルや末梢神経障害などの神経疾患を患っている患者を対象に
姿勢動揺の複雑さやシステム機能性に対する感覚下振動騒音刺激の効果を検討することが必要である。
TUGテストは、可動性と身体機能のテストとして広く受け入れられているが
姿勢動揺の複雑さと、身体的、認知的、その他のストレス要因への適応・対応能力によって測定される
姿勢制御システムの機能性との関係を検討するためには、さらなる研究が必要である。
とはいえ、本研究は、起立時に足底に振動音を加えることで
高齢者の姿勢制御システムの機能性が向上する可能性を示唆している。

まとめ

足裏の振動は筋トレでも動きやすさなどの効果が出やすいですし、
筋トレしていない人でも身体が軽くなる感覚があったりとプラスが大きいです。
ただ当てるのではなく何を目的にどの筋肉に当てるかまで考えるとより効果が得られる思います。
とはいえ雑に当てても皮膚への振動刺激で関節可動に影響を与えるので効果は出るかと思います。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。