こんにちはTOMOAKIです。
ダイエットのやり方の中には
ある程度食材を限定して行うものと
エネルギー収支と三大栄養素の配分内であれば
食材に自由度を持たせて行うものがあります。
今日は食材を固定しないダイエット、
通称:フレキシブルダイエット(Flexible dieting)
について、その成り立ちやメリットデメリットなど
文献を元に紹介していきます。
従来のボディビル的な食事からの転換
従来のボディビルダーのダイエットは研究のほとんどで、
食品の選択が限られており、食品グループ間および
食品グループ内の多様性が少なく、
変化が少ない“単調と繰り返し”と表現されます (Kleiner et al, 1991)。
これらの食事は一般に制限的なものであり、
次のような食品しか含まれていないことが多いです。
- 全卵
- 水煮マグロ
- 皮なし鶏胸肉
- プロテインシェイク
- 魚
- 牛肉赤身
- ブロッコリー
- バナナ
- 玄米
- オート麦
- 餅など
早くも1991年には
こうした反復的で面白味のない食事とは対照的に、
ボディビルダーは代わりにエクスチェンジ・システムを使って食事計画を立て、
3大栄養素の相対的配分を変えずに
食事に多様性を持たせるべきだという
研究結果が発表されました (Sandoval & Heyward, 1991)。
Flexible dieting(自由度の高いダイエット)
Flexible Dieting(フレキシブルダイエット)とは
1日の特定の3大栄養素の目標値さえ満たせば、
どの食品も「禁止」されることはありません。
フレキシブルダイエットの利点は、
食品や食品グループの排除がないため、
“ヨーヨーダイエット “のサイクルに陥る可能性が低いことです。
ヨーヨーダイエットとはダイエット中にチートを行ったりと
最終的に元の体重に戻るか、ダイエット前より重くなることです。
周期的にリバウンドを伴うダイエットってイメージです。(下図)
自己流、流行りのダイエットなど3大栄養素の偏った食事や
短期間で急激に体重を落とすような
持続可能性の低いダイエットで陥りやすい印象です。
フレキシブルダイエットを実践している人は、
BMI値が低く、自己管理意識が高く、
心理的ストレスが少ないことが研究により明らかにされています
(Timko&Perone、2005年)。
同様に厳格なダイエット戦略は、摂食障害、気分障害、
体格や体型に対する過度な心配事
過食やむちゃ食いの頻度が高くなり、
うつ病や不安神経症のレベルも高くなると
報告されています(Smith, Williamson, Bray, & Ryan, 1999; Stewart,
Williamson, & White, 2002)。
フレキシブルダイエットのデメリット
しかし、フレキシブルダイエットにはデメリットもあります。
例えば、フレキシブルダイエットを行う人の多くは、
栄養価の高い食品よりもエンプティカロリーを選ぶことが多く、
食事に様々な果物や野菜を取り入れないことも多いとのこと(Salter, 2016)。
したがって、3大栄養素を重視するあまり、
微量栄養素の摂取が少なすぎる可能性があります。
第二に、フレキシブルダイエッターは、
低品質のタンパク質を総タンパク質スコアにカウントしている可能性があり、
これは筋肥大に不可欠な必須アミノ酸が不足することになります(Salter, 2016)。
コンビニの高たんぱく質!
買って中身観てみると
ゼラチンでタンパク質量かさましされてたり。
PFCだけ見てると陥る落とし穴ですね。
同様に、フレキシブルダイエッターは炭水化物を
すべて同等に扱うかもしれませんが、
炭水化物の供給源、タイミング、量は
エネルギー、パフォーマンス、回復、健康に
重要であることを示唆する多くのエビデンスがあります。(Jenkinsら、2002年)。
最後に、フレキシブルダイエットを実践している人は、
健康を改善し、痩せた体型を促進することが示されている
必須脂肪酸の摂取が少ない可能性があります
(Hill, Buckley, Murphy, & Howe, 2007; Simopoulos, 2008)。
まとめ
減量中にあれもこれも食べられないとなると
結構人によってはストレスになります。
その辺の心理的ストレスが少ないことが
フレキシブルダイエットの良い点かなと思います。
ただし上に上げたように
特定の微量栄養素の不足や
アミノ酸スコアの低いタンパク質の選択や
パフォーマンスに影響する糖質源の選択など
難しさもあります。
自由度が高いゆえの難しさなので
従来のボディビルダーが食べているような食材をメインに
時々エネルギー収支、PFCバランス内で
外食やいつもと違う食材など
摂っていくと良いのかなと思います。