こんにちはTOMOAKIです。
今日はボディビル系競技の大会後のリカバリーについて
いくつかの論文をレビューしているものを
見つけましたので紹介していきます。
コンテスト後はメンテナンスカロリーまで
じわじわ戻す人も居れば、
すぐにメンテナンスカロリーや増量カロリーに戻す方、
コンテスト後は色々決めずに
食べたい物を食べたいだけ食べてリフレッシュする人、
人それぞれでこれが正解とかは無いとは思います。
恥ずかしながら自分も大会後にバルク不足を痛感して
一日米5合、鶏むね1kg毎日食べる!!
みたいな今考えるとむちゃな事をして脂肪ばかり増えて
体調というか健康を崩しかけた時期もありました(笑)
次の減量期が長くなりとても大変な思いもしました…
では、研究では大会後の回復期には
どういういう事が言われているのか?
推奨されているのか?
などを知ることは今後のポストコンテストの
回復戦略への有意義な知見を得ることが
出来るのかなと思い、今日も関連する論文の
一部を抜粋して前編後編の2部構成で紹介していきます。
研究の背景と目的
この研究の背景として(2022/2/22時点)、
大前提として大会に向けた極端なダイエットや
筋量をなるべく保ちながら、体脂肪を極限まで
そぎ落とす大会準備期には色々な悪影響が
生じることがあると言われています。
(既往研究では体脂肪率は男性で4~6%、
女性で10~13%と言われています)
極端なエネルギー不足の結果、
身体が最適な生理機能を支えるのに
十分なエネルギーを持たず、
いわゆるガス欠状態で過ごしていくと
代謝系が混乱する低エネルギー利用能(LEA: low energy availability)
に至ることがあります。
筋肉量の減少、ホルモンバランスの崩れ、免疫機能の低下、
心理的な悪影響は、LEAに悩むボディビルダーだけにとどまらず
極度のダイエットを行った非トレーニーでも現れると言われています。
しかし現状では、
女性のビキニカテゴリー等から男性のボディビルも含めた
ナチュラル競技者に対する大会直後からの
生理学的な回復を促進するための
推測に基づいた提案しか提供されておらず、
どちらかというとトレ仲間やコーチなどの経験則だったり
ネットに転がってる逸話などをもとに指導や
実践されているというのが研究の背景にあります。
そこで、このスコープレビューの目的は、
ボディビル系競技のコンテスト後の回復の
これまでの戦略(関連する既往研究)を評価し、
生理学的な回復が起こる時間軸を特徴付けることであります。
研究の手法
研究の対象はオンライン検索エンジンおよび
データベースであるGoogle Scholar、PubMed、Scopusを
系統的に検索して得られた、2000年1月から2021年8月までの
12のピュアレビュージャーナル論文です。
論文の精査の方法は省略しますが
該当する論文をしっかり精査して
ヒトを対象に18歳以上の成人で
薬物を使用しておらず、
尚且つ誤解を招く内容もなく、
定量的もしくは質的研究を行っている
査読付き論文などから最終的に12本
選んでいるそうです。
研究結果と結論(前編)
研究の結果としてコンテスト直後の生理学的回復に
直接影響を与える6つの重要な要因が特定されました。
以下に示す通りです。
(1)身体組成
(2)回復食摂取
__以下は長いので後編にて紹介予定です__
(3)安静時代謝量(RMR)回復
(4)内分泌系回復
(5)月経周期回復
(6)回復の心理学的側面
身体組成
(1)の身体組成は試合後9週間から6ヶ月の間に、
脂肪量はコンテスト準備前のベースライン測定値に戻るか、
それを上回り、大会直後の最初の4週間では、
急激な体重増加(最大9kg)が
一般的にみられ、除脂肪体重はこの間維持され、
コンテスト準備中に除脂肪体重が減少した場合には、
コンテスト後2-5ヶ月で回復したとあります。
回復食
(2)の回復食に関しては
50% (n = 6)の事例研究で、コンテスト後に自由食で
エネルギー摂取量の即時増加が観察された 。
Longstromらは、試合後にカロリー摂取量を97%増加させ、
同時に10週間以内に脂肪量を22%増加させ、
生理機能を回復させた1人の女性アスリートを観察した 。
構造化されたエネルギー摂取量の漸増は、
アスリートが試合前のベースライン体脂肪率の
回復またはエネルギー利用可能性の回復のために
様々なプロトコルに従った事例研究の42%(n = 5)で
観察された戦略であった。
これらのプロトコルは、1週間に1%ずつ体重を
増加させることを目標に、段階的に
エネルギー利用能を増加させること、
またはPardueらのように、
試合後5ヵ月までの回復期の各週に
炭水化物および脂肪摂取量をそれぞれ
10~30gおよび/または4~10g増加させたように、
徐々に摂取カロリーを増加させていった 。
このような構造化された漸進的なエネルギー摂取量の増加は、
個人差が大きいものの、試合後9週間から5ヶ月の間に観察された。
タンパク質摂取量は、試合後の回復期の期間中、
一般的に2g/kgを上回ったままであった。