こんにちはTOMOAKIです。
今日はボディビルダーのピークウィークに関する
ケーススタディを紹介していきます。
隅々まで紹介すると長くなるので
自分が気になったとこだけ紹介していきます。
背景
この論文の背景としては
ボディビルダーのコンテスト直前から当日までの
ピークウィーク栄養戦略による
筋サイズ、細胞内外の水分の移動、
皮下脂肪厚、水分量の変化等をモニタリングし
科学的な知見を得る事です。
研究手法
食事内容の記録と実験室での検査は、
競技の朝を含むピーク時の1週間を通して行われた。
ちょっとごちゃごちゃと書きますが評価項目は、
・二重エネルギーX線吸収法(DEXA)にて
脂肪量(FM)、除脂肪量(LBM)、骨塩量(BMC)
・MT(筋サイズ)とST(皮下脂肪厚)
・生体インピーダンス分光法(BIS)による全身水分(TBW)
・細胞内水分(ICW)/ 細胞外水分(ECW)の測定
・水分補給状態などなど
・食事内容(g数までしっかり記録)
・自覚的満腹感など主観的指標を測定しています。
ケーススタディですので今回の被験者は1人で
この事例研究の対象は、筆頭著者です。
どうりでコンテスト前のくそ忙しい時期に
詳しく毎日データがとれる訳ですね。
彼は中東系アメリカ人(調査時29歳)の
プロナチュラルボディビルダーで、
12年間レジスタンストレーニングを続けています。
かなりのベテランですね。
データは、選手がこの大会のために24週間(2021年5月~2021年10月)
準備した状態で、シーズン2回目の大会(2021年10月)
までの8日間にわたって収集されたものです。
ベテランビルダーのシーズン2回目のコンディションで
あとで出てくる体脂肪の数値など見ても
ばっちり絞り切った状態だと思います。
この選手は、体重制限クラス(オープンミドル級ボディビル)と
身長・体重別クラス(クラシックフィジーク)に出場していました。
結果
まずはコンテストの結果ですがオープンミドルウェイトボディビル、
クラシックフィジーククラスAの両方で1位を獲得しています。
マクロ栄養素およびカロリーの摂取量は、
Tabel1にまとめられています。
ピークウィークを通じて、炭水化物、脂質、
水分、塩分の摂取量を変動させて
カーボディプリートからのカーボアップという
典型的なカーボローディングを行ってることが読み取れますね。
カロリー摂取量はピーク週を通じて
2206~3663kcal(30.2~50.2kcal/kg)の範囲
タンパク質摂取量は、195~285gの範囲で
脂質摂取量は6~4日前のみ高くディプリート期間は低くなっています。
カーボディプリート後は、炭水化物は1日あたり~578 g(7.9 g/kg)
2日間連続して増加させています。
水分は2日前までに~10,229mL/日(~140mL/kg)と2日かけて増やし
1日前は水をベースライン値よりわずかに減らして
5909mL(80mL/kg)に抑えています。
そして気になる筋サイズや細胞内外の水分量などですが
Table2に体重や体脂肪率、除脂肪体重等の結果を
Table3にそれぞれの筋肉のサイズがまとめられています。
結果としては炭水化物摂取量と
筋肉のサイズに強い相関が確認された。
(Figure 1より)
Tabel3より脚、胸が特にサイズアップが、
肘屈筋群はそこまで変わらない結果となっています。
またTable4より皮下脂肪も最後の
カーボアップにかけて薄くなっている。
以上より典型的なコンテスト前のピークウィークの
過ごし方は筋サイズをわずかに大きくし皮下脂肪を
薄くし大きくドライな質感を出すのに貢献している事がわかる。
ただしカーボディプリートや水、塩分など
どの因子がそれらに影響しているのか
それぞれの状況で試せるとより
今後の戦略が練りやすいだろうと思いました。
個人的にボディビル競技のピーキングで
カーボディプリートの必要性について
懐疑的なので是非ともディプリートなしバージョンも
見てみたいなと思いました。