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2025.04.24

ラットプルダウンにおけるよくある間違い3選

こんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、過去に記事にした「ラットプルダウンでのありがちな5つのエラー
上級者向けとして更に3選ご紹介させていただきます。

1. 小指のMP関節で握ろうとしている

SNSなどでよく見かける「小指で握る」「MP関節(指の付け根)で引っかけて握る」。
背中を使うためにMP関節で引っかけている様に見える人が多いので理にかなっているように
見えるかもしれませんが、よく考えてみてください。
指の長さ、手の大きさ人によって違いますよね?
なのに「ここで握れ」と言われた位置で全員が同じように握れますか?
少し疑問が出てきます。

左がTOMOAKIで右がKAMEYAMAの握り方です。
パット見は同じように握っているように見えますかね。

小指にも引っかかっていますが、圧を感じる部分としては
薬指のMP関節付近が感覚として近いです。

UESAKAのストレートバーなら28mmで男性なら比較的、MP関節付近が多めになるかなと思います。
では、手の小さい人の場合はどうでしょう。
もう少し指側の方が適切に握れる場合が多いです。
一般的なジムに多いラットプルダウンマシン付属の訳分らん太さのスラットバーとかなら
バーが太い分、MP関節付近に引っかけようとする手関節が掌屈し過ぎてしまうため、
多数派は指側で握る方が適切になり、MP関節だと握りにくくなります。
あのアタッチメント付けてる企業マジでなんなんですか。何も考えてない。
懸垂のグリップも無駄に太いやつ。あれも何も考えてない。
つまり、手の小さい女性などはMP関節で引っかけるのは限りなく難しく、
普通のバーでも指側の方が適切になる場合もあります。

本質的な部分として見るべきは手の引っかけ位置だけでなく、手首の角度もです。
手首が過度に掌屈していたり、逆に背屈しているとそれはすでに前腕や手に無駄な力が入っている証拠。
横から見た時の手首から肘までが自然なラインを保てる握り方を選ぶのが、結果として広背筋への負荷を高めるポイントになります。

背中トレにおいてMAGが良く効く”っていいますよね。
手首の状態が作れない人の場合は、”手首の状態が作りやすくする”というのがメリットになります。
ただ、グリップのサイズが合わない、手幅が決まっているなどが
更なる上級者になれば1周回ってやりにくくなります。
MAGのが効く状況ならばまだまだ成長の余地有りと思ってください。
※一部ホントにMAGのサイズ感が合う人もいます
といってもMAGもバリエーションとして見ると全然ありなんですけどね。

トレーニーの皆さん。知り合いにMAGが背中に効くって人いたら
まだまだ成長の余地あり。伸びしろあるなこいつ。とでも思っておいてください。
トレーナーだったらチンパンジー程度の知能しかないのかよ。握り方見に動物園行ってこいって思ってください。

2. 肩甲骨を「下げようとする」

「肩甲骨を下げろ」というアドバイス、これもよく聞きます。
もちろん、間違ってはいませんが動作中、疲れてきてからはでどうでしょう?

動作の前に肩甲骨を下げる意識があったとしても、動作中ずっと意識できますか?
しかも重量を扱いながら、肘を引きながら、その意識を維持し続けれるんですか?
そんな様々な意識の同時動作、器用どころじゃないですよ。運動野の過剰発達ですよ。

本質的には、下げよう”とするのではなく、結果的に“下がっている”状態が理想
具体的には:

  • 下顎の後方移動(チンインの動き)による胸椎の引き上げ。
  • 前腕回内せず、肩関節の内旋が起きていない。
  • 肘が完全に伸びきらず、僅かに屈曲している。
  • 腰椎の過伸展が起きていない。
  • 足底の適切な接地。
  • 目線の変化における肩甲骨挙上が起きていない。

こうしたフォームを守った“結果として”肩甲骨が自然と下がっている”、というのが正しい状態です。

肩甲骨は下がっていればいいですが、下げようとしてではなく、下がっているというのがいいです。
とはいえ前述の動きは下げるために行っているので日本語的にややこしさがありますね。
日本語は難しいです。

3. “肩関節”のフル可動域を取ろうとする

「可動域は広く取れ」もよくあるアドバイスですが、
ここでいう可動域とは“どこ”の可動域のことか?が大事です。

広背筋を狙うなら、見るべきは広背筋の可動域です。
ただ腕を高く上げる肩関節屈曲可動域では広背筋の可動域を超えてしまい、フォームが崩れているだけです。
筋トレのフォームは”反復性があり、対象筋から負荷が抜けず、限りなく広い可動域”を目指したいです。



ラットプルでただ手を限界まで上げているのでは意味が無いです。
それはは可動域はどこまでか。どこから負荷が抜けるのか。
そういったもっといい方法があるのではという探究を怠った愚者であると言えます。

”肩甲骨が外れない限界値まで挙げ、引く”これがラットプルダウンにおける「正しい可動域」の考え方です。

おわりに

ラットプルダウンで更に上を目指したいならば、今回紹介した3つのポイントを見直してみてください。

  • 握り方は“手首の角度”で見る
  • 肩甲骨は“下げる”ではなく“下がる”
  • 可動域は“広背筋ベース”で考える

この3点を意識するだけでも、広背筋への効き方が変わるはずです。

過去おすすめ記事
ラットプルダウンでのありがちな5つのエラー

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

パーソナルジムFLEXER佐藤町店の店長。ブログでは基本的に解剖学や運動学等の文献を引用した記事を執筆しています。

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