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2025.03.30

エルゴジェニックエイド:運動パフォーマンス向上

こんにちはTOMOAKIです。

運動の成果を最大限に高めたい
それは多くのトレーニーやアスリートが抱える共通の願いです。

その手助けとなるのが「エルゴジェニックエイド(ergogenic aids)」
運動能力の向上を目的とした補助食品や成分です。

しかし「なんとなく効きそう」なサプリメントは数あれど、
「科学的に効果がある」と証明されているものは意外と少ないのが現実です。

今回は、栄養学専門誌「Nutrients」に2024年に掲載された査読付き論文をもとに、
実際に効果が実証され、研究者たちからも推奨されている
5つのエルゴジェニックエイド
をご紹介します。

参考文献:
The Top 5 Can’t-Miss Sport Supplements

1. クレアチン(Creatine)

筋トレ界ではおなじみの「クレアチン」。
体内では肝臓などで自然に合成されますが、
肉や魚にも含まれており、サプリとしての利用が一般的です。

期待される効果

  • 筋力・筋量の増加
  • 高強度運動の持久力向上
  • 怪我や筋肉の損傷からの回復を助ける可能性

クレアチンは筋肉の中で「クレアチンリン酸」という形で保存され、
短時間で爆発的なエネルギーを必要とする運動
(例:ベンチプレスやダッシュ)において、ATPの再合成を助けます。

推奨摂取量と安全性

  • 1日3~5gの継続摂取が一般的です。
  • 長期的な使用においても安全性は非常に高いとされています。

2. ベータアラニン(Beta-Alanine)

「乳酸による筋肉疲労を抑える」と言われがちなベータアラニンですが、
正確には筋肉内の水素イオン(H⁺)の蓄積を抑える働きが注目されています。

ベータアラニンは「カルノシン」という物質の材料になります。
このカルノシンは、運動中に筋肉が酸性に傾くのを防ぐ「緩衝剤」として働きます。

期待される効果

  • 1〜4分程度の高強度運動(中距離走、HIITなど)におけるパフォーマンス向上
  • 筋疲労の遅延
  • トレーニングの質向上

かつては「乳酸が疲労の原因」とされてきましたが、
現在では疲労の要因の1つは水素イオンによるpH低下(アシドーシス)と考えられており、
ベータアラニンはこの状態をカルノシンの力で緩和します。

推奨摂取量と副作用

  • 1日2~6gを複数回に分けて摂取(ピリピリ感=パレステジアの副作用を避けるため)。
  • 長期間の使用でも安全性が確認されています。

3. 硝酸塩(Nitrates)

ビートルートジュース(赤ビーツジュース)に多く含まれる天然成分。
体内で「一酸化窒素(NO)」に変わり、
血管拡張や酸素の運搬効率を高める作用があります。

期待される効果

  • 持久力の向上(ランニングやサイクリングなど)
  • 酸素コストの低下=同じ運動でも疲れにくくなる
  • サッカー選手や持久系アスリートにおけるパフォーマンス向上が確認されています

一酸化窒素は血管を広げて、筋肉への酸素供給をスムーズにするため、
スタミナ系の運動と相性抜群
です。

推奨摂取量とタイミング

  • 運動の2〜3時間前に300~500mgを摂取
  • 効果的な摂取方法としてはビートルートジュースが有名

4. カフェイン(Caffeine)

コーヒーやエナジードリンクでおなじみのカフェイン。
実はれっきとしたエルゴジェニックエイドの1つで、
神経系への刺激を通して集中力や疲労感に影響を与えます。

期待される効果

  • 有酸素運動(ランニング、サイクリング)のパフォーマンス向上
  • 筋力や筋持久力の向上(個人差あり)
  • 反応速度や集中力の向上

推奨摂取量と注意点

  • 体重1kgあたり3〜6mgを、運動の30~60分前に摂取
  • 個人差が大きいため、初めての摂取は低用量から試すのが安全です

5. プロテイン(Protein)

言わずと知れた筋肉の材料。

トレーニング後の筋肉の修復や成長に不可欠な栄養素で、
食事だけでは不足しがちな場合に補助として用いられます。

期待される効果

  • 筋タンパク合成の促進
  • 筋肥大と筋力向上
  • トレーニング後の回復時間の短縮

筋肉はトレーニング後に微細な損傷を受けますが、
そこに十分なアミノ酸(特にロイシン)を供給することで、
筋タンパク合成が促進されます。

推奨摂取量とタイミング

  • 一般的には1.5〜2.2g/kg/日が推奨
  • トレーニング後30〜60分以内の摂取が効果的
  • 食事で足りない分を補うのが基本スタンス

エルゴジェニックエイド一覧

サプリメント主な効果推奨される運動タイプ
クレアチン筋力・筋量向上無酸素・高強度
ベータアラニン疲労軽減・高強度持続力1〜4分の高強度
硝酸塩持久力向上・酸素効率化有酸素系競技
カフェイン集中力・スタミナUP有酸素・無酸素両方
プロテイン回復・筋肉成長すべての運動後

おわりに

今回ご紹介した5つの成分は、すべて査読付き論文で
効果と安全性が支持されたもの
です。

トレーニングパフォーマンス向上を狙って
何か追加でサプリを選ぶ上では
今回のようなエビデンスが積み上がった成分
選んでみてはいかがでしょう!

今回はサプリメントに特化した内容でしたが
筋トレのパフォーマンスにおいては
もちろん糖質が超重要です!

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TOMOAKI

パーソナルトレーナーでFLEXER COACHINGのメインコーチ。ブログでは主にオンラインコーチング上で得た知見のシェアや減量(ダイエット)、筋肥大に関する記事を執筆しています。

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