2025.03.01
有酸素と筋トレがうつ病に与える影響

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせがうつ病に与える影響についての
論文を引用していこうと思います。
論文
この研究の目的は、既存の文献を要約し、うつ病患者の抑うつ症状の緩和における
レジスタンストレーニングと有酸素トレーニングの併用の有効性を評価することである。
研究地域、年齢、うつ病の重症度、介入期間、介入頻度、介入が監督下か
非監督下かに基づいてサブグループ解析を行った。
27の適格な研究が含まれ、合計2,342人のうつ病患者が関与していた。
このメタアナリシスの結果は、レジスタンストレーニングと有酸素性トレーニングの併用が
うつ病患者の症状を有意に改善することを示しており、これは既存の文献から得られた知見と一致している。
非薬物療法としての運動介入がうつ病にプラスの治療効果をもたらすことは、数多くの研究で確認されている。
含まれた研究によると、運動介入がうつ病患者の情動状態を効果的に高め、症状を緩和すると同時に
全体的な健康状態の改善を促進することが実証されている。
具体的には、レジスタンストレーニングは筋力を増加させ、姿勢を改善し、身体機能を向上させ
それによって患者の自信と自己効力感を高めることができる。
このような身体的改善は、うつ病患者の心理的回復を助けるだけでなく、より肯定的な自己認識を確立し
低い自尊心や否定的感情を緩和するのに役立つ。
一方、有酸素運動によるトレーニングは、主に脳内の神経伝達物質レベルを調節することによって気分を改善する。
含まれた研究では、有酸素運動は、気分の調節と維持に密接に関係するセロトニンやドーパミンなどの
神経伝達物質の分泌を有意に増加させることが示されている。
脳内のこれらの「気分のよい」化学物質のレベルを上昇させることにより
有酸素運動トレーニングはうつ病患者の気分を改善し、不安感を軽減し、ストレスに対処する能力を高めるのに役立つ。
したがって、レジスタンストレーニングと有酸素トレーニングを組み合わせることで
うつ病患者の心身の健康をより総合的に改善することができる。
潜在的な相補的メカニズムは、筋力、フィットネス、持久力の向上といった身体的な強化だけでなく
神経伝達物質の調節を通じて患者の気分をよりよく調整し、不安を軽減することにも明らかである。
このような2つのアプローチによる介入は、うつ病患者のリハビリテーションにおいて
欠くことのできない治療法となる可能性がある。
本研究ではまた、介入の効果に影響を及ぼす重要な要素を深く探るために
さまざまな要因のサブグループ分析を行い、臨床実践や個別化治療のための貴重な参考資料を提供した。
結論として、このメタアナリシスは、レジスタンストレーニングと
有酸素性トレーニングの併用が抑うつ症状を有意に改善することを示しており
その効果は中高年患者と中等度の抑うつ状態の患者で最も顕著に観察された。
トレーニングの強度と量に関しては、中程度の期間(9~24週間)の介入、中程度の頻度(週3~4回)、
週180分以上のトレーニング、監督下のセッションで最適な結果が得られた。
本研究は、レジスタンストレーニングと有酸素トレーニングの併用がうつ病の
治療に効果的な介入であることを支持し、臨床実践のための重要な参考となる。
今後の研究では、この非薬物療法の臨床的効果を最大にするために
介入戦略の最適化を継続すべきである。
まとめ
うつ病の人は動けるなら動きましょう。
お客さんでもちらほらいますが動いている内は調子がいい状態を保ちやすいっぽいです。
そういえば最近うつ病はメンタルの強さではないみたいな論文が出ていましたね。
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