演奏家における筋骨格系症状と性差

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は交響楽団の演奏家における筋骨格系症状の有病率と
結果は性別によって異なるかについての論文を引用していこうと思います。

論文

筋骨格系の症状は、音楽家では頸部、背部、上肢によく見られる。
演奏に関連した筋骨格系の障害は32%から87%であり、男性よりも女性の音楽家に問題が多い傾向があることが分かっている。
器楽奏者における筋骨格系の障害に関する研究は、一般的にプロになる前の音楽家や、
様々なレベルの音楽家からなる集団を対象としている。
そこで本研究の目的は、プロの交響楽団音楽家における筋骨格系症状の有病率、期間、およびその結果を調査することである。

調査対象者は、デンマークの6つの交響楽団に所属する441名の音楽家で、342名(78%)が質問票に回答した。

結果として、過去1年間に、女性の97%、男性の83%が9つの
解剖学的部位(首、背中上部と下部、肩、肘、手と手首)のうち少なくとも1つに症状を経験した。

女性の86%、男性の67%が7日以上、女性の63%、男性の49%が30日以上の症状を経験した

木管楽器奏者は筋骨格系症状のリスクが低く、その結果も低かった。
演奏方法の変更(73%)、家庭での日常生活の困難(55%)、睡眠困難(49%)が報告された。
6つの解剖学的領域における症状に関する結果を、デンマークの一般労働者のサンプルと比較した。
音楽家では、一般労働者よりも症状の頻度が高く、持続時間も長かった。これは男女ともに同様であった。

結論として、過去1年以内に、ほとんどの交響楽団音楽家が
頸部、背部、上肢の筋骨格系の症状を経験した。その症状は、仕事内外での
機能レベルに影響を与え、健康行動に反映されていた。
演奏への影響、病気休暇、家庭、余暇、睡眠における日常生活の困難、鎮痛剤の使用、
医療機関の利用は、交響楽団音楽家という職業グループにおいて、筋骨格系症状の一般的な結果であった。
高弦楽器奏者と比較して、木管楽器奏者は、筋骨格系の問題を認識するリスクも
筋骨格系の問題による結果を経験するリスクも、オッズ比で評価すると有意に低かった。
最後に、木管楽器奏者は、筋骨格系の問題のために音楽活動を休止するリスクも、病気休暇を取るリスクも低かった。
低弦楽器奏者のグループは、より多くの日数で症状が出る傾向が見られた。
金管楽器奏者は、練習やリハーサルを中断したり、コンサートで演奏しなかったりするリスクが統計的に有意に低かった。
一般労働者のサンプルと比較して、交響楽団の音楽家は男女ともに筋骨格系症状の有病率が高く
また音楽家は症状の日数も多かった。一般労働者サンプルと比較して
交響楽団音楽家における症状の分布と頻度は、彼らの症状が仕事に関連したものであることを示している。
プロの交響楽団音楽家は高度に選ばれた集団であり、筋骨格系症状を獲得するリスクの高いエリート職業と考えるべきである。

まとめ

症状の経験の割合がかなり高めですね。
別論文でもそうですが女性の方がかなり多いです。

対策として何があるかはいろいろありますが、
自宅で出来ることでとりあえずで言うなら
YouTubeとかにあるヨガとかですかね。
やらないよりは効果あるかなと思います。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。