45種類の慢性疾患に対する運動療法について

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は45種類の慢性疾患に対する運動療法介入についての
論文を引用していこうと思います。

論文

この研究の第一の目的は、45の異なる長期的な疾患(LTC)において、
様々な健康アウトカム(死亡率、入院、運動能力、障害、虚弱、健康関連の生活の質(HRQoL)、身体活動)にわたる
運動ベースの介入の影響を評価することであった。
副次的な目的は、患者の多疾病や合併症の潜在的な影響を検討することであった。

42のシステマティックレビュー(36のメタアナリシス)と3つの補足的ランダム化比較試験から得られたエビデンスを要約し、
39の異なるLTCにわたる936,825人を対象とした合計990のRCTを提供する。

結果として、運動への参加は、事前に特定された45の単一LTCのうち25において有益であり、
運動コントロールなしと比較して運動能力とHRQoLが一貫して改善することがわかった。

しかし、エビデンスの質はまちまちであった。
含まれるSR全体で確認された3つの主な限界は、レビューの実施前にレビュー方法が確立されているという明確な記述がないこと、
含まれる研究デザインの選択に関する根拠の提供が限られていること、資金源の報告がないことであった。
これらの限界は、方法論的な質の低さそのものよりも、
報告の不十分さを反映している可能性があることに注意することが重要である。
死亡率や入院、障害、虚弱、身体活動など、LTC全体の主要なアウトカムに関する報告は限られていることが確認された。
このようにデータが少ないため、運動に基づく介入が健康の重要な側面に及ぼす包括的な影響を十分に理解することができない。
運動は普遍的に効果的な介入と考えられているにもかかわらず、45のLTCのうち7つのLTCでは運動の影響に関するエビデンスが
不足しており、13のLTCではエビデンスが不確実であった。
本概説の具体的な目的であったが、運動介入のデザインや実施における多疾患の考慮、
また運動の有効性への影響に関する情報を提供したSRやRCTはなかった。

結論として、運動ベースの介入への参加は、事前に特定した45のLTCのうち25において有益であり、
HRQoLと運動能力の改善によって裏付けられているというエビデンスを見出した。
主なエビデンスのギャップとしては、死亡率や入院のデータが限られていること、
運動ベースの介入の実施における多疾患の潜在的な影響の検討などがあった。
また、今後のSRにおける方法論的厳密性と報告の改善の必要性を指摘し、運動に関するエビデンスがない、
または明確でない特定のLTCを特定した。

まとめ

この論文では運動が効果ないものもありますね。
慢性腎臓病には運動は肯定的なのに対し、
バイアスリスクは高めでも慢性肝疾患には運動の影響はないとなっています。
結果として、どうであれ特定に効果がないかもしれませんが
全体的にプラスには働くので運動はしておくに限りますね。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。