ストレッチによる筋力低下の再検討

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回はストレッチによる筋力低下の再検討についての
論文を引用していこうと思います。

論文

このメタアナリシスでは、最大筋力およびスピードのパフォーマンスパラメーターに対する
急性伸張誘発効果を調査し、コントロールされた事前事後の研究のみを対象とした。

メタアナリシスには83件の研究が含まれた。

結果として、特にストレッチング時間を長くした場合(1回あたり60秒以上)、
最大筋力が有意に低下することが明らかになった。

しかし、これまでの示唆とは対照的に、急性の静的ストレッチングが、ジャンプ、スプリント、投擲などの
スピードおよび/または運動能力に及ぼす悪影響は確認できなかった。
さらに、いくつかのサブグループ分析では、運動能力に対する有意な些細な効果が認められ、
受動的コントロールと比較した場合、パフォーマンスに対する有益なストレッチング効果さえ示された。

一般的な推奨に従って、動的ストレッチは筋力パフォーマンスに影響を与えなかった。
また、静的条件と同様に、成人ではジャンプパフォーマンスに対するプラスの効果が測定された。
これらの結果は、以前の分析と部分的に矛盾しているように思われるが、
動的ストレッチングのポジティブな影響を見出している。
しかし、この食い違いはは、受動的対照条件を含まず、
動的ストレッチングと動的+静的ストレッチングおよび静的ストレッチングのみを比較した。

急性期の最大筋力とスピードのパフォーマンス低下は、筋-腱ユニットのコンプライアンス変化だけでなく、
M波EMG振幅の減少に起因するとされてきたコンプライアンス変化に起因している。
静的ストレッチングの効果を代替介入と直接比較した研究のESをプールした。
その結果、静的ストレッチングによる最大筋力の低下は、
適用されるストレッチング量とは無関係に有意に優れていることがわかった一方、
スピードパフォーマンス(スプリント、ジャンプ、投球パフォーマンスを含む)は、他の介入との有意差を示さなかった。
すべての比較(受動的および能動的)において、低年齢集団のサブグループは高い異質性と95%CIを示し、
結果の解釈を意味のあるものにしていない。
しかし、成人の参加者について別個の解析を行うことで、結果や方法の異質性を減少させたところ、
ストレッチ効果の有意性がさらに高まっただけであり、
特に大量の静的ストレッチは成人における筋力の結果に悪影響を及ぼす可能性があることを示している。
小児については、研究が少ないため、決定的なことは言えない。

まとめ

筋トレ界隈は未だにストレッチが良くないと言う人がいますが
状況によっては悪くなるけど基本は良いと思っておいてください。
根拠無く良くないと言ってるような人たちがいたから
信じてストレッチをやらず怪我する人がいたかもしれないですね。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。