みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は身体活動と全死因および心血管系死亡との関連における性差についての
論文を引用していこうと思います。
論文
この研究の目的は、身体活動から得られる健康上の利点が
性別によって異なるかどうかを評価することである。
余暇時間の身体活動に関する調査データを提供した412,413人の
米国成人(女性55%、年齢44±17歳)を対象とした前向き研究で
1997年から2019年までの全死因死亡率および心血管疾患死亡率と
身体活動の指標(頻度、期間、強度、種類)との性別別の多変量調整関連性を調査した。
結果として、米国成人の集団規模の全国代表コホートにおいて
自己申告による余暇時間の運動と生存利益との関係において
性差がかなりあるという証拠を観察した。
男女とも週300分の有酸素性MVPA(中強度と高強度の期間を合計して2を掛け、加重中強度から高強度の有酸素運動)で
生存利益のピークを達成したが、女性は24%の死亡率減少を示し、
同程度の定期的な運動で18%の死亡率減少を示した男性よりも実質的に大きかった。
同様に、週300分までの任意の量の運動で、女性は男性よりも比例して大きな利益を得た。
これらの所見は、全死因死亡率および心血管特異的死亡率のいずれにおいても明らかであった。
重要なことは、男性よりも女性における運動関連生存利益の大きさは、
有酸素運動の頻度、1回あたりの時間、強度、筋力強化活動の頻度など、
さまざまな運動指標や種類において一貫して認められたことである。
この大規模な代表的集団研究から得られた結果は、
PAから得られる健康上の利益における性差の反応を浮き彫りにしただけでなく
心血管系および全死因死亡リスクの低減において、女性が特に利益を得る立場にあることを示唆している。
このような知見は、より多くの女性層や、特に時間が運動への障壁となっている
人々の身体活動への参加意欲を高めるために利用できるであろう。
結論として400万人年以上追跡した米国成人の大規模な全国代表コホートにおいて、
自己申告による余暇の身体活動と全死因死亡および心血管死との
関連に有意な性差があることを示す証拠を発見した。
全体として、男性に比べて女性の方が、同量の余暇身体活動から得られる
全死因死亡リスクおよび心血管系死亡リスクの低減効果が大きかった。
これらの知見は、特に女性に定期的な余暇身体活動を奨励することによって、
「ジェンダーギャップ」を埋めようとする努力の動機付けとなりうる。
運動能力とそれに関連する転帰における性的二型性に関する生理学的研究および臨床研究からの
一致したエビデンスの継続的な増加から得られたものである。
本研究の結果と先行研究の結果を総合すると、運動に関するリスク評価や推奨には、
性差に応じた考慮が有効であることが示唆される。
画一的なアプローチには限界があることを認識した上で、PAに関連するリスクと
ベネフィットの性差に注目することで、すべての人の健康アウトカムを改善する
精密医療への取り組みが強化される可能性がある。
まとめ
性差はあれど男女ともに動くに越したことはないです。
運動をすると食事を意識したり、
眠れるようになったりと様々な面にプラスに働いていきやすいです。
人生長いので動けなくなっては辛いですよ。
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