スポーツ栄養におけるケトジェニックダイエット

こんにちはTOMOAKI です。
今日はスポーツ栄養における
ケトジェニックダイエット
(低炭水化物・高脂肪ダイエット)
についてです。

この食事法は、炭水化物の摂取を
大幅に制限し、脂肪を主要なエネルギー源と
することを目的としています。

しかし、ケトジェニックダイエットが
スポーツパフォーマンスや体組成に
どのような影響を与えるかについては、
賛否両論
があります。

これまでにKONDOさんのブログでも
筋肉量維持における観点、
パフォーマンスにおける観点など
紹介されてきました。

この記事では、先月発表された
International Society of
Sports Nutrition Position Stand:
Ketogenic Diets

という論文を基に、
ケトジェニックダイエットの利点、
リスク、そして研究が示すものを
スポーツ栄養の観点から
詳しく見ていきます。

ケトーシスの理解

ケトジェニックダイエットは、
日々の炭水化物摂取量を
50グラム未満に減らすことで、
体をケトーシス状態に
導きます。

ケトーシスとは、血清ケトン濃度が
0.5 mM以上に達する状態を指し、
体が脂肪を主要なエネルギー源として利用する状態です。

これは、飢餓状態や断食時に見られる
自然な代謝状態であり、
適切に管理されれば安全です。

一方で、ケトアシドーシスは
糖尿病患者などに見られる危険な状態
であり、
ケトーシスとは異なります。

運動パフォーマンスへの影響

ケトジェニックダイエットが
運動パフォーマンスに与える影響については、
論文の調査結果からいくつかの
重要なポイントが浮かび上がります。

  1. 持久力系スポーツ
    ケトジェニックダイエットは
    持久力系スポーツにおいて中立的または
    有害な影響
    を持つことが多いです。

    例えば、エリートアスリートに対する研究では、
    ケトジェニックダイエットが10kmの
    競歩レースでのパフォーマンスを
    一貫して低下させることが示されています。

    また、他の研究でも、耐久力が必要な
    運動では炭水化物を豊富に含む食事が
    好まれる結果が多く見られます。

  2. 筋力トレーニング
    筋力トレーニングにおいては、
    ケトジェニックダイエットと
    高炭水化物ダイエットの効果に
    大きな差は見られません。

    しかし、いくつかの研究では、
    非ケトジェニックダイエットの方が
    筋力の増加に有利
    であることが示唆されています。

    特に、女性を対象とした研究では、
    ケトジェニックダイエットよりも
    高炭水化物ダイエットの方が筋力の増加が顕著でした。
  3. エネルギー供給
    運動中のエネルギー供給において、
    脂肪の酸化率が増加する一方で、
    炭水化物の酸化率が減少するため、
    ケトジェニックダイエットは
    高強度の運動には不向きです。

    これは、炭水化物が脂肪よりも
    迅速にATPを生成するため、
    高強度の運動では炭水化物の利用が
    不可欠だから
    です。

体組成と体重減少

ケトジェニックダイエットは
体重と脂肪量の減少に有効であるとされています。

しかし、筋肉量の減少も
引き起こす可能性
があります。

これは、ケトジェニックダイエットが
低炭水化物であるため、筋肉の維持に必要な
グリコーゲンの供給が不足することが
一因
と考えられます。

また、ケトジェニックダイエットは
体重減少の速度を速める可能性がありますが、
これは主に水分の減少によるものであり、
長期的な体重管理には注意が必要です。

アスリートに対する考慮事項

ケトジェニックダイエットは、
特定のスポーツや活動において
有益である場合があります。

例えば、長時間の低強度運動や
炭水化物の摂取が困難な状況
(超マラソンや遠泳など)では、
ケトジェニックダイエットが役立つ可能性があります。

しかし、現時点ではこのような状況における
ケトジェニックダイエットの有効性を
裏付ける十分な証拠はありません。

一方で、高強度の運動や
短時間のスプリント競技では、
炭水化物の摂取がパフォーマンス向上に
不可欠
であるため、
ケトジェニックダイエットは
適していない可能性が高いです。

結論

ケトジェニックダイエットは、
体重減少や特定の低強度運動において
有効である一方で、
高強度の運動パフォーマンスには
不向きである可能性があります。

上記のようなスポーツや
筋トレをされている方でしたら
基本的には減量中も
筋量維持、向上、パフォーマンス発揮のために
炭水化物を制限しない
通常のバランスの取れた
ダイエットが適している
のかなと思います。

もし実施する場合は脂質の摂取を上げるため
飽和脂肪酸の過剰摂取や
食物繊維摂取量減少に伴う便通への
悪影響
などスポーツ栄養以外にも
多角的に検討する必要があります。

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この記事を書いた人

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TOMOAKI

2021年度JBBFジャパンオープンクラシックフィジーク168cm以下級準優勝など数多くのコンテストで優れた成績を残し続けており、2022年度から正式にmaison de FLEXER所属のパーソナルトレーナーとして指導中。KONDOやKAMEYAMAより常日頃から様々な知識を供給されそれを活かしてオンラインコーチングで月当たり約30名を指導している。