運動後のストレッチの有効性

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は筋力、可動域、遅発性筋肉痛の短期的および遅延回復における
運動後のストレッチの有効性についての論文を引用していこうと思います。

論文

この研究の目的は、運動後のストレッチングが回復メーカー(すなわち、筋肉痛:DOMS、筋力、関節可動域:ROM)に
及ぼす影響について、受動的回復や代替回復法(例えば、低強度サイクリング)と比較して、
監督されたRCTをレビューすることであった。
短期(運動後1時間以下)および遅延回復(24、48、72時間)のマーカーを検討した。

10件のRCTがメタアナリシスに含まれました (参加者229 人、年齢 17~38 歳、ほとんどが男性)。

運動後の回復には、積極的な静的ストレッチング、受動的ストレッチング、
PNFが用いられたが、動的ストレッチングを採用したプロトコルはなかった。
全体として、個々の研究を分析した結果、ストレッチングが、受動的回復(すなわち、安静)
またはサイクリングや冷水浸漬などの代替回復様式と比較して、回復を促進するという証拠はなかった。

逆に、ストレッチングが回復を損なうというエビデンスもなかった。
例えば、血中乳酸値や血清クレアチンキナーゼなどの副次的な結果についても、
ストレッチングが回復を早めたり、改善したりするという強い根拠は得られなかった。
さらに、全体的にRoBが高く、この分野の研究は方法論的デザインに欠けていることを意味している。
特に問題なのは、主観性の度合いが高いアウトカムにおい ても、非盲検のテスターが多用されていることである。

結論として、この研究データは運動後ストレッチングの活用を支持するものでも矛盾するものでもない。
とはいえ、運動後のストレッチが受動的回復(すなわち、休息)との関係で回復を促進するように見えないのであれば、
少なくとも、参加者やアスリートにおける前者の実施には疑問が残る。
それでもなお、データは乏しく、不均一であり、累積されたエビデンスに対する全体的な信頼性は非常に低い。
今のところ、運動後のストレッチングを疲労回復の目的で行うべきかどうかに関する推奨は、
入手可能な(不十分な)データがその主張を支持していないため、誤解を招きかねない。

まとめ

運動後のストレッチの効果についてはエビデンスが弱いです。
ただやると良くなるという方はいらっしゃるので
そこは個人の好みとしていいかなと思います。
プラセボだとしても効果を感じるならそれはそれでいいと思います。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。