最大筋力と筋肥大に対する慢性静的ストレッチの効果

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は最大筋力と筋肥大に対する慢性静的ストレッチの効果についての
論文を引用していこうと思います。

論文

このメタ分析を伴うシステマティックレビューの目的は、ヒトにおける慢性的な静的ストレッチ介入後の
筋サイズと最大筋力の変化を調査することであった。
長期的に実施されるストレッチングプログラムが、両方の結果の増加につながるという仮説を立てた。
動物実験から得られた知見に基づき、これまでのストレッチ量では不十分であると仮定した。
したがって、ストレッチングセッションの持続時間や介入期間を長くし、
トレーニングの頻度を高くすることが改善の引き金となり、持続時間や頻度を低くすると
関連する変化は得られないという仮説を立てた。

合計 42 件の研究が特定され、累計参加者は 1,318 人でした。

結果として、先行研究に従い、今回のシステマティックレビューでは、
慢性的な静的ストレッチングが(a)最大筋力、(b)筋サイズを増大させることが明らかになった。

ストレッチングの持続時間と介入時間が最大筋力に関するトレーニングパラメーターを調整する傾向にあることから、
この結果は、ストレッチングの持続時間が長いほど優れた効果があることを示している。
全体的なストレッチによる筋肥大は小さな効果を示したが、これらの効果は、
15分以上のストレッチ時間、6週間以上の介入期間、および5回以上のトレーニング頻度に起因すると思われる。
筋力および筋量の改善に関して高いストレッチ量が必要である可能性は、動物実験の結果と一致している。

結論として今回のシステマティックレビューは、慢性的な静的ストレッチが最大筋力と
筋サイズを増加させるという低~中程度の確実性のエビデンスを提供している。
全体的な効果はあっても小さいが、ストレッチングの介入期間(≧15分、≧6週間)と
介入頻度(≧5x/週)が長いほど、比較的高い努力が必要と思われる。
潜在的な効果をもたらす正確な生理学的メカニズムについては、まだ議論の余地がある。
とはいえ、レジスタンス・トレーニングに比べれば効果は低いとはいえ、
従来のレジスタンス・トレーニングが禁忌である場合など、特殊な状況下では
大容量のストレッチは貴重な代替手段となるかもしれない。

まとめ

筋トレ界隈ではここ数年ストレッチやコンディショニングが
普及してきましたがまだ浸透しきっていないように感じます。
運動直前の過度な静的ストレッチはパフォーマンス低下を招きますが
それ以外や、中長期的な効果にも目を向けれるといいですね。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。