動的バランスに対する頭部前方姿勢の影響

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回はBiodexバランスシステムに基づく動的バランスに対する
頭部の前方姿勢の影響についての論文を引用していこうと思います。

論文

本研究では、FHPの有無による動的立位バランスをBBSに基づいて比較することを目的とした。
(Biodex Balance System (BBS) ・・・前後方向および内外側方向の静的および準動的バランスを評価できる)

本研究には40名の参加者(FHPあり20名、FHPなし20名)が登録された。
参加者は骨折、神経筋障害、中等度から重度の側弯症の既往はなかった。
頭蓋椎体角(CVA)により、被験者はFHP群(CVA<53°)と対照群(CVA≧53°)に分けられた。

結果として、FHP患者では対照群と比較して、動的姿勢安定性指標が有意に低下していた。
その結果、総合安定性指数、前後安定性指数、内側外側安定性指数は
FHPの有無にかかわらず有意な差が認められた。

FHPは身体の頭部重心をシフトさせ、姿勢の動的変化を誘発し、胴体と関節に影響を与える。
バランスもまた、FHPに対する身体的反応として変化する。
一方、下肢による不均衡な体重支持は、バランス能力を低下させる。
この研究では、参加者は重度のFHPを有していた。FHPは、
総合安定性指数や前後安定性指数における目を閉じた片脚立位や両脚立位での
姿勢動揺の増大と関連している可能性がある。
この点に関して、FHPのプロプリオセプション障害を持つ人を健常者と比較した。
この結果は、FHPによる筋長の変化が関節位置感覚を低下させることを示唆している。

結論として本研究により、FHPにより静的および動的姿勢安定性が有意に変化することが示された。
しかし、バランストレーニングのポジティブな効果については、FHP患者を対象とした今後の研究で確認する必要がある。

まとめ

動的バランスに影響するという事はアスリートにとって
頭部前方位姿勢は悪影響以外の何物でもないですね。
デスクワークだったりスマホ、学生なら勉学などでも
頭部前方位姿勢は起こりやすいので
日常的にそうならないように注意できるといいですね。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。