ランナーに対する筋力トレーニング

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は中距離および長距離ランナーの運動パフォーマンスに対する
筋力トレーニング方法の影響についての論文を引用していこうと思います。

論文

このメタ分析を伴うシステマティックレビューの目的は、中長距離ランナーにおける
さまざまな筋力トレーニング(ST)方法(HL、SubL、PL、複合トレーニングなど)が
ランニングパフォーマンス(タイムトライアル、疲労困憊までの時間など)および
その決定因子(最大酸素摂取量:VO2max、vVO2max、最大代謝定常状態:MMSS、スプリント能力など)に及ぼす影響を分析することである。
PL・・・プライオメトリックトレーニング、軽負荷または無負荷のジャンプベースのトレーニング
HL・・・高負荷トレーニング、1回の繰り返し最大値 [1RM] の 80% 以上)
SubL・・・最大未満の負荷トレーニング、40~ 79%1RM)

この研究には、中等度のトレーニングを受けたアスリート324名、
十分にトレーニングされたアスリート272名、および
高度にトレーニングされたアスリート298名が含まれていました。

結果として、持久力トレーニング単独または非常に低負荷のSTと比較して、
HLはランニングパフォーマンスに有意な中等度効果をもたらしたが、

PLには影響を及ぼさなかった。
さらに、2つ以上のST方法(すなわち、HL、PLおよび/またはSubL)を組み合わせると、
ランニングパフォーマンスに有意な大きな効果が生じる。
一方、VO2max、vVO2max、MMSS、およびスプリント能力に対する効果は、
分析したすべてのST法で認められなかった。
これらの結果から、HLは他の生理学的パラメータ(すなわち、VO2max、vVO2max、MMSS)を
妨げることなくランニングパフォーマンスを向上させる効果的な方法であり、
PLとHLおよび/またはSubLを組み合わせるとこの効果が高まる可能性が示唆された。

結論として、メタ分析を含むこのシステマティックレビューは、HLを併用したSTは、
タイムトライアルと疲労困憊までの時間で測定されるランニングパフォーマンスを向上させることを示唆している。

PL法にHLおよび/またはSubLを組み合わせることで、ST法単独と比較してランニングパフォーマンスの向上が認められたが、
PL法単独ではランニングパフォーマンスは向上しなかった。
これらの改善は、VO2max、vVO2max、MMSS、およびスプリント能力の変化なしに生じたことから、
適応は主に代謝以外の要因によることが示唆された。
これらの結果は、中長距離のコーチやアスリートは、トレーニング計画に
複数のST法を取り入れることを検討すべきであることを示唆している。
今後の研究では、さまざまなST法を組み合わせたり別々に行ったりした場合の
ランニングパフォーマンスへの効果や、これらの効果に関連する
基礎的なメカニズムを分析・比較することを目指すべきである。

まとめ

ランニングは持久力系だから重さを持たなくてもいい。
ではなく普通に重さを持ってトレーニングをしていきましょう。
筋トレでスポーツパフォーマンスが下がると言っているトレーナーやコーチはいますが
そもそも筋トレのフォームが出来ていないだけの場合が多いです。
適切なフォームなら良くなるかは別として悪くなる可能性は低いです。
方向転換の多いスポーツはまた話が変わりますが。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。