みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は地域に住む高齢者の転倒を予防するための運動についての
論文を引用していこうと思います。
論文
この無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビューは、
地域在住の高齢者の転倒予防のための運動介入の効果を、
対照と比較して評価することを目的とした。
本報告では、レビューの主要アウトカムである転倒率に焦点を当てている。
59件のRCTが組み込まれた。
結果として、運動が一般社会で生活する高齢者の
転倒率を減少させるという確実性の高いエビデンスが得られている。
サブグループ分析では、転倒リスクが高いかどうかで
試験を選択したかどうかによる効果の違いは明らかにならなかったが、
転倒を予防した絶対数はリスクが高い集団の方が多い。
サブグループ解析では、75歳を基準として
若年層と高齢層のいずれを対象とした試験であるかによる
転倒予防効果の差は明らかにならなかった。
しかし、医療専門家ではない訓練された
指導者が介入を行った試験よりも、医療専門家が
介入を行った試験の方が、運動(すべての種類)による転倒率の減少が大きかった。
しかし、どちらのアプローチも転倒率を減少させた。
サブグループ解析では、介入を集団で行うか個人で行うかによる
転倒への効果の差は明らかにされなかった。
運動の種類別にサブグループ化した場合、転倒率に有意なサブグループ差がみられ、
この知見は、主要な運動の種類別に分析を分けて報告するという
事前に規定した意図を支持するものであった。
転倒を減少させる運動プログラムには主にバランス運動と
機能的運動が含まれるが、転倒を減少させると思われる
運動プログラムには複数の運動カテゴリー(典型的にはバランス運動と機能的運動に加えて抵抗運動)が含まれる。
太極拳も転倒を予防する可能性があるが、
抵抗運動(バランス運動と機能運動を含まない)、ダンス、ウォーキングが
転倒率に及ぼす影響については不明である。
結論として、このレビューは、適切に設計された運動プログラムが、
地域社会に暮らす高齢者の転倒率を減少させるという
確実性の高いエビデンスを提供するものである。
このような運動プログラムをより多く提供し、
実施することは、世界のスポーツ・運動医学界や
より広範な健康・社会支援システムにとって喫緊の課題である。
既知の事実
・65歳以上の地域生活者の少なくとも3分の1が毎年転倒している。
・バランス、歩行、筋力をターゲットとしたエクササイズは、こうした人々の転倒を予防することが分かっている。
・転倒や転倒に関連した怪我が長期的に大きな影響を及ぼすことを考えると、最新のエビデンスを統合することは重要である。
新しい知見
・運動は転倒の回数を長期的に約4分の1(23%減少)減少させる。1000人の転倒を1年間追跡した場合、850人の転倒があったとすると、運動は195人の転倒を減少させる(95%信頼区間144~246)。
・転倒に対する効果は、転倒リスクが高い人を選んだ試験でも、そうでない人を選んだ試験でも同様であった。
・主にバランスと機能訓練を伴う運動は、不活発な対照群と比較して転倒を減少させた。
・複数の種類の運動(最も一般的なのはバランス運動と機能的運動に加えてレジスタンス運動)を含むプログラムは、おそらく転倒を減少させた。
・太極拳も転倒を減らす可能性がある。
まとめ
運動することで転倒を防止できるので運動していきましょう。
高齢者の転倒は骨折リスクが高いのと、
一度動けなくなった後の回復が遅くなるので
予防的に出来ているととてもいいですね。
太極拳というピンポイントはいいですね。
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