健康な集団の認知機能に対する運動介入の効果

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、健康な集団の認知機能に対する運動介入の
効果についての論文を引用していこうと思います。

論文

この研究の目的は今回の系統的レビューとメタアナリシスは、
RCTデザインを用いた研究を評価することで、
小児・青少年(6~17歳)、成人(18~60歳)、高齢者(60歳以上)の
健康な集団における、慢性的な運動介入が認知機能に及ぼす効果を検討することを目的とした。
多くの認知領域に対する運動の効果を総合的に評価し、
FITT-VPの運動変数と年齢の寄与を検討するために中等度分析を行った。

本メタアナリシスでは、6277人の参加者を対象とした54のRCTが含まれた。

FITT-VP運動処方の指導原則
(本明細書では、運動の種類、継続時間、頻度、強度、および長さとして分類)の観点から、
また、グローバル認知、実行機能、記憶、注意、および情報処理を含む
認知機能に対する調節効果を検討するために、参加者の年齢別に実施された。
一般的に、この研究の結果は、評価した運動介入は、
認知機能全体およびESの異なるすべての認知領域において、
肯定的かつ統計的に有意な改善を示した。
グローバル認知の認知領域は、運動介入によって概ね有意かつプラスの効果が得られ、
実行機能と記憶は運動介入によって僅かに有意かつプラスの効果が得られ、
注意と情報処理はプラスの効果を示したが統計学的有意性は認められなかった。
2つの若い集団(6~60歳の健常人で構成)と比較すると、
最も高齢の集団(60歳以上の健常人)では、
運動介入による有意な認知効果が最も大きく、
グローバル認知、実行機能、記憶が対照群と比較して有意に改善した。

結論としてこの系統的レビューとメタアナリシスは、
6~60歳以上の健康な集団において、
様々な認知領域に対する慢性的な運動介入の効果を
評価した過去のRCTから認知アウトカムを抽出し、
FITT-VPの原則に基づいて運動変数を分析した。
中等度分析の結果、中等度の継続時間、頻度、強度、全長で
実施された有酸素運動が、グローバル認知の最大の改善と関連することが示された。
また、1週間の頻度が低く、全体として中程度の長さの
長時間のセッションで実施されたレジスタンス運動も遂行機能を改善したが、
中程度の運動強度を用いた場合と強度の進行による
運動効果の違いを明らかにするためには、今後の研究が必要である。

持続時間、頻度、全体の長さは中程度であるが強度が高い
マインドボディエクササイズは、記憶力の改善と関連していた。
注意と情報処理を評価した結果は、
対象となった研究数が少ないため、慎重に解釈すべきである。
最後に、高齢の参加者が運動介入から最も恩恵を受けた。
本研究は、慢性的な運動の用量反応関係や、
FITT-VP運動の原則を用いた加齢に伴う認知能力の改善や
認知機能低下の予防に関する新たな知見を提供するものである。

まとめ

認知機能にも運動はいいですよ。
高齢者は特に恩恵を受けられますよって感じですね。
子どもの勉強にも運動を含める方がいいという研究もあるので
どの年齢だろうと脳機能と運動は関連がありそうですね。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。