慢性緊張型頭痛における運動

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、慢性緊張型頭痛患者における筋力ベースの
運動プログラムの有効についての論文を引用していこうと思います。

論文

本研究の目的は、慢性緊張型頭痛(TTH)と診断された患者において、
レジスタンスエクササイズに基づいた治療的エクササイズプログラムの
有効性を分析することである。
また、関節可動域を分析し、神経障害特性を有する患者にみられる
両側の感覚障害のため、異なる構造の機械的感受性に関連する
感覚レベルの変化を初めて両側から分析する予定である。
12週間の筋力トレーニング(優越性試験)を指導することで、
頭痛の痛みの強さ、持続時間、頻度が改善し、頚椎ROM、
頚椎筋厚、頭蓋頚椎筋持久力、機械的感受性も改善するという仮説を立てた。

対象は介入群(n=20)と対照群(n=20)のベースラインおよび
12週間の追跡調査で40人の患者(85%が女性、年齢 37.0 ± 13.3 歳)。

本研究の主な知見は、介入群の参加者が12週間後に以下のような
中規模から大規模の有意な変化を経験したことである。
(i)痛みの強さと持続時間が減少したことによる頭痛の特徴
(ii)安静時および収縮時の多裂筋と最長筋の厚さの増加による頸部筋厚
(iii)頸部側方傾斜の増加による頸部ROM
(iv)側頭筋、咬筋、僧帽筋上部および正中神経の増加による疼痛圧閾値(PPT)
(v)深部頸部屈筋持久力の増加による頭蓋頸部屈曲テスト(CCFT)において、
同期間の対象グループと比較して、中程度の大きさの有意な変化が認められた。

TTH患者における筋力トレーニングに関する現在の科学的エビデンスに関しては、
最近のランダム化比較試験のシステマティックレビューで、
筋力トレーニングは痛みの強度、持続時間、頻度を減少させる可能性があり、
その臨床効果は中程度であることが示された。
本研究では、介入グループは対象グループと比較して痛みの
強さと持続時間を有意に減少させ、その効果量も大きかったが、
頭痛のエピソードの頻度には差が認められなかった。
したがって、本研究の結果は、筋力トレーニングが痛みの
特性に有益な効果をもたらすことを部分的に支持するものである。

結論として、12週間の頸部および肩部の筋力トレーニングは、
TTH患者において、疼痛の強さと持続時間、頸部筋厚、側方傾斜ROM、
頭蓋頸部PPTおよびCCFTにポジティブな変化をもたらした。

痛みの特徴と頭蓋頸部の筋力マーカーを正常化することが、
頭痛コントロールにより有意義な影響を
与えるかどうかを調査するために、今後の介入が必要である。

まとめ

慢性緊張型頭痛にも筋トレで良くなる場合も
あるかもしれませんって感じですね。

頭痛が酷かったお客様が筋トレ始めて
2ヶ月目ぐらいからの変化で
頭痛が全くなくなったという方がいます。
デスクワーカーで姿勢もあまりいいとは言えない状態でしたが
腕立て伏せを可能な限りやっていただき、
チンインの動作も覚えていただいてからは
劇的な変化があったようです。

首回り、肩甲骨付近の変化で意外に消えるものもあるかもしれません。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。