肩筋膜痛患者における疼痛抑制

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、肩筋膜痛患者における固有受容神経筋促進および
抵抗トレーニング後の疼痛抑制についての
論文を引用していこうと思います。

論文

本研究では、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)患者において、
固有受容性神経筋促進(PNF)、等張性、
等尺性レジスタンス運動後の疼痛抑制(EIH)反応を比較するとともに、
条件付け疼痛調節(CPM)によって決定されるEIHと下行性疼痛調節との関係を調べることを目的とする。
MPS患者において、PNFおよびすべてのレジスタンス運動は、
ブランクコントロールと比較して高いEIH反応を示すという仮説が立てられた。

ベースラインでのEIHとCPMの反応は、下行性疼痛変調が損なわれている
MPS患者では相対的に低いが、患部にPNFとレジスタンス運動を介入させると増加するか回復する。

筋膜性疼痛症候群の女性患者計76人(18~30歳)が研究に登録され、
参加者は、アイソメトリック(n=18、24%)、アイソトニック(n=19、25%)、
PNF(n=20、26%)エクササイズを含む3つの介入グループと、
1つの対照グループ(n=20、26%)にランダムに割り当てられました。

結果として、仮説とほぼ一致する結果が得られた。
圧痛閾値(PPTは、PNFと等張性運動を行った場合には、トリガーポイント、
腕、脚の部位で増加したが、等尺性運動を行った場合には、
脚の部位でのみ増加した。
対照群と比較すると、等張性運動群とPNF群ともに
トリガーポイントでのEIH反応が有意に大きかった。

しかし、PNF運動群のみが、対照群と比較して、
遠隔部位のPPTとCPM反応を有意に改善した。

この研究では、PNF運動とアイソトニック運動の両方が、
MPS患者のCPM反応を有意に改善することがわかった。
最適な強度と種類の運動が中枢性疼痛調節に影響を与え、
神経伝達物質やサイトカインを媒介する可能性が示唆された。

結論として、PNF、アイソトニック、アイソメトリックエクササイズは、
MPS患者に対して局所的、全体的に有意なEIH効果をもたらす可能性があり、
それはエクササイズタイプの下でのプロプリオセプション刺激に影響される可能性がある。
PNFおよびアイソトニック運動後にCPM反応が有意に増加したことから、
これらの中強度の運動によるEIHメカニズムには、
中枢性下行性抑制機能の亢進が関与している可能性が示唆された。
本研究で得られた知見は、EIHの中枢メカニズムに焦点を当てた
更なる研究の理論的基礎となり、今後の臨床において慢性疼痛に対する
運動介入の効果を最適化できる可能性がある。

まとめ

疼痛抑制が働かないと
痛みを過剰に感じたり、長引いたりしやすいです。
痛みを感じれば可動域にもマイナスの影響が出るため、
より動けない体に近づいていく可能性があります。
動かし続けるためにも、
筋トレなどを習慣化していきましょう。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。