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2023.10.02

うつ病症状に対する筋トレの効果について

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、若年成人のうつ病症状に対するレジスタンス運動トレーニングの
効果についての論文を引用していこうと思います。

論文

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37429171/

既存のランダム化比較試験(RCT)データのこの二次分析は、
生態学的に妥当なガイドラインに基づいたレジスタンストレーニング(RET)の、
潜在的な、あるいは類似の全般性不安障害(AGAD)および大うつ病性障害(AMDD)を有する
若年成人および有さない若年成人の抑うつ症状に対する効果を
定量化することによって、過去の報告を拡張するものである。

WHOおよびACSMのガイドラインに基づくRETは、
RET経験の少ない若年成人の抑うつ症状の軽減に有効な介入であった。
RETの有効性は、AGADやAMDDの若年成人においても高いようであり、
RETが若年成人の軽症うつ病や潜在性うつ病に対する
有望な治療法であることを裏付けている。

RETの有益な副作用は、筋力の大幅な増加であった。
しかしながら、筋力の変化は抑うつ症状の変化と関連していなかった。
その結果、筋力を向上させるようにプログラムされたRETは、
RET経験の少ない若年成人においてRETによる抗うつ効果のために必要ではないかもしれない。
継続的なRET活動への関与を容易にする、実行可能で、忍容性があり、
保守的に漸進的なRETは、RET経験の乏しい若年成人において
抗うつ効果を誘発する可能性がある。

待機的対照群と比較して、RETはベースラインから
1週目(すなわち、3週間の慣熟化プロトコール前)、
および4週目から8週目にかけて抑うつ症状を有意に減少させた。
抑うつ症状の軽減は1週目から4週目まで横ばいであったが、
ベースラインから8週目までのRETの抗うつ効果は、
ベースラインから4週目までのそれよりも大きく、
男性と女性で実質的に同じであった。
ベースラインのスコアから少なくとも標準偏差の半分の減少という
臨床的に意味のある閾値に基づくと、
ベースラインから8週目までの抑うつ症状の大きな減少は
臨床的に意味のあるものである。
RETのこの抗うつ効果は、これまでに報告された有酸素運動やレジスタンス運動、
高齢(≧55歳)の成人におけるRETよりも大きく、精神的に病んだ成人に匹敵する。

結論として、WHOおよびACSMのガイドラインに従ってデザインされた
8週間の生態学的に妥当なRETは、健康でない若年成人のサンプルにおいて、
臨床的に意味のある大きな抑うつ症状の軽減をもたらした。
サブ解析では、AMDDおよびAGADを有する参加者においても大きな抗うつ効果が認められた。

AGAD患者では、RET後の抑うつ症状および不安症状の軽減が
互いに増強しあうような相乗効果の可能性がある。
筋力の大幅な増加はRETの有益な副作用であり、抑うつ症状の変化とは関連していなかった。

まとめ

うつ病には運動がいいとは言え、
気持ち的に出来ない人に無理させるのは
マイナスになる可能性があります。

身体や心の健康のために運動をする際は、
運動も用法、用量を適切に行うことを推奨します。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

パーソナルジムFLEXER佐藤町店の店長。ブログでは基本的に解剖学や運動学等の文献を引用した記事を執筆しています。

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