線維筋痛症に対する非薬理学的介入について

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、線維筋痛症に対する非薬理学的介入の有効性とレビューについての
論文を引用していこうと思います。

論文

この論文の第一の目的は、成人の繊維性筋痛症(FMS)に対する非薬理学的介入の
有効性、受容性、安全性に関するエビデンスを要約することであった。
副次的な目的は、包含/除外基準、アウトカム、比較、有害事象の評価方法に関して、
コクランレビュー間の方法のばらつきの程度を調査することであった。
また、対象となったコクラン・レビューの質についても検討した。

確立された基準のいずれかを用いて、FMSと診断された
成人(18 歳以上)に対する非薬理学的介入に関する
無作為化対照試験(RCT)および準RCTのコクラン・レビュー(メタ 分析の有無は問わない)を対象とした。
FMSに関するデータが別途報告されている場合のみ、
様々な医学的疾患に関するレビューを含めた。
小児や青少年のFMSに対する非薬理学的介入に 関するレビューや、
混合集団を対象としたレビューで、 成人と分けて結果が報告されていないものは除外した。

結果として、10件のコクランレビューが対象となり、
181件の無作為化または準無作為化試験(参加者11,917人、平均試験規模66人)が報告された。
レビューでは、運動トレーニング、鍼治療、経皮的電気神経刺激、心理療法が検討された。
1件のレビューはAMSTAR 2により中等度と評価され、7件は低度、2件は極めて低度と評価された。
有酸素運動トレーニング、混合運動トレーニング、認知行動療法(CBT)が、
移動困難を軽減し、混合運動トレーニングとCBTが介入終了時に健康関連の生活の質(HRQoL)を改善するという、
臨床的に関連性のあるプラスの効果を示す確実性の低いエビデンスを発見した。

平均24週間の追跡調査において、運動困難の軽減に関する運動とCBTの混合が
臨床的に適切であるという確信度の低いエビデンスを発見した。
平均24週間の追跡調査において、混合運動がHRQoLに及ぼす
臨床的意義のあるプラスの効果を示す確信度の低いエビデンスを発見した。
さまざまな非薬理学的介入の受容性(脱落によって測定される)のエビデンスの確実性は、
非常に低いものから中等度のものまであり、いかなる理由による脱落率も各群で差はなかった。

結論として、FMS患者において、有酸素運動と混合運動トレーニング、
および介入終了時のCBTによって、臨床的に関連性のある移動困難の軽減と
HRQoLの改善が認められたという確実性の低いエビデンスがある。
CBTと混合運動トレーニングが治療後の移動困難を軽減し、
混合運動トレーニングが臨床的に意味のあるスコアで追跡調査時の
HRQoLを改善するという確実性の低いエビデンスがある。

まとめ

エビデンスとしては低いけど、運動すといいねといった感じですね。

最近、整形外科疾患など含めて、
”運動するべきでない”という結果の論文出てきたら面白いなと
毎回読む度に期待しています。
もし、見つけたらしっかり紹介させていただきます。

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この記事を書いた人

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。