ドライカッピング療法と偽カッピングの比較

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、ドライカッピング療法は、非特異的慢性腰痛患者の
臨床転帰を改善するための偽カッピングの比較についての
論文を引用していこうと思います。

論文

本研究の目的は、慢性非特異的腰痛患者における
ドライカッピングの効果を推定することである。
偽の介入と比較した場合、ドライカッピングは痛みを軽減し、
その他の関連する主観的・客観的転帰を改善するという仮説が立てられた。
したがって、この無作為化試験の研究課題は以下の通りである。

慢性非特異的腰痛患者において、ドライカッピングが疼痛強度、
身体機能、機能的可動性、体幹可動域、知覚総合効果、
QOL、心理症状、薬物使用に対してどのような効果があるか?

対象者は、3ヵ月以上の腰痛を有し、
痛みの強さが疼痛評価スケールで3~8であり、
年齢が18~59歳で、肥満度が35kg/m2未満である者とした。
ドライカッピングセラピーまたは偽セラピーを週1回10分間、8週間にわたって8回行った。

結果として、両群とも、初回介入後、4週間後、8週間後の治療において、
疼痛強度に同様の減少を示し、どの時点においても群間に重要な差は認められなかった。
副次的アウトカムのいずれにおいても、カッピングの臨床的に
価値のある効果は確認できなかった。
この試験結果は、非特異的な慢性腰痛患者に対する非薬物療法としての
ドライカッピングの臨床使用に疑問を投げかけるものである。

最近のシステマティックレビューでは、
カッピング療法は非特異的な慢性腰痛患者の痛みや
障害を軽減するのに有効であることが示唆された。
しかし、無作為化されていない、盲検化されていない、
割り付けが隠されていない、サンプルサイズが小さい、
介入期間が短い(3週間未満)など、
対象となった試験の異質性とバイアスリスクが高いことは、
考慮すべき重要な限界である。

結論として、ドライカッピング療法は、
非特異的な慢性腰痛患者において、
疼痛の軽減や身体機能、機能的可動性、
体幹可動域、知覚される全体的効果、QOL、
心理症状、薬物使用の改善という点で、偽療法と同様であった。

有効性に関するより強力なエビデンスが得られるまで、
臨床家は非特異的腰痛患者の疼痛軽減や機能改善のために
ドライカッピングを適用することを再考すべきである。
また、この治療法の有益性が不確実であることを患者に伝え、
有効性が確立された介入法を検討するよう勧めるべきである。

このテーマについて既知のこと
・非特異的慢性腰痛患者は、身体的パフォーマンスの低下や
心理的機能障害を経験する傾向がある。
・ドライカッピング療法は非特異的な慢性腰痛の治療によく用いられる。
・非特異的慢性腰痛患者に対するドライカッピング療法に関する
最近のシステマティックレビューでは、既存の文献はバイアスのリスクが高く、
質の高い研究が必要であると結論付けられている。

この研究で追加されたこと
週1回10分間のドライカッピング療法を2ヵ月間行った場合、
非特異的な慢性腰痛患者に対して、疼痛、身体機能、
知覚総合効果、QOL、心理症状、薬物使用の点で
偽療法より優れていることはなかった。

まとめ

トレーニング界隈で目ときどき目にしますが、効果無いそうです。

と言っても体感的に何か変わったかもはあると思いますので、
ハイパーナイフなどのように一時的には水分量的な変化はあるので、
効果0とは思ってません。
継続的な効果については無いと思ってます。

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・腰痛に対する心身療法の効果

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。