パフォーマンスに対する月経周期の影響

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、筋力とパワーパフォーマンスに対する月経周期の影響についての
論文を引用していこうと思います。

論文

本研究の目的は、1RMの20、40、60、80%に相当する負荷をかけた
スミスマシンハーフスクワットエクササイズにおける
速度、パワー、力出力を測定することにより、
月経周期の3つの相(初期卵胞期:EFP、後期卵胞期:LFP、黄体期中期:MLP)にわたる
筋パフォーマンスの変動を調査することであった。

対象は、13名の女性トライアスリートがこの研究に志願した
(年齢=31.1±5.5歳、体重=58.6±7.8kg、身長=1.66±0.06m、体脂肪率=14.5±6.5%)。
参加者は全員、実験前の4ヵ月間、月経周期が規則正しく、無月経とみなされた。
参加者は、少なくとも実験前の6ヵ月間は、いかなる形態のホルモン避妊も行っていなかった。
さらに、すべての参加者は、いかなるタイプの月経障害(例:月経困難症、無月経、月経前症候群に伴う重い症状)もなく、
調査前3ヵ月間に筋骨格系の損傷もなく、
実験期間中に薬物や栄養補助食品を摂取していなかった。
参加者は、少なくとも6ヵ月のRT経験があり(今回のサンプルでは16±8ヵ月)、
ハーフスクワット運動に慣れている者を対象とした。

本研究の目的は、1RMの20、40、60、80%に相当する負荷で
レジスタンス運動を行い、月経周期の3つの異なるフェーズにおける
筋力(N)、速度(m/s)、出力(W)の変動を調査することであった。
全体として、この調査の結果は、幅広い負荷範囲(1RMの20~80%)で測定した結果、
月経周期中の筋パフォーマンスには系統的な変動がないことを示している。
筋パフォーマンスに対する月経周期の影響の欠如は、力、速度、パワー出力の
平均値およびピーク値において明らかであったことから、
無月経女性の筋力およびパワーパフォーマンスは、
月経周期の異なるフェーズによって影響を受けないことが示唆された。

この研究では運動能力に有意な差はみられなかったが、
これらの結果は、月経周期中のホルモンの変動が、
筋力の増加や筋肥大といった長期的なRTに対する
特徴的な適応に影響を及ぼす可能性があるという考え方に
異論を唱えるものではない。
実際、この推測は過去に行われた2つの研究でも確認されている。
これらの研究では、RTの頻度が卵胞期で高く黄体期で低い場合、
卵胞期で低く黄体期で高い頻度のトレーニングと比較して、
最大等尺性筋力と筋径の変化などのこれらの結果は、
エストロゲンの同化作用に基づくと考えられ、(トレーニング頻度の増加による)
筋タンパク質合成のより頻繁な増加と相まって、
ポジティブな同化ホルモン環境が卵胞期後期の
筋肉量の増加に有利であることを示唆している。
これら2つの研究結果と本研究の知見を合わせて考えると、
これら2つの研究で観察されたRT適応の改善は、
卵胞期のトレーニングに対する筋能力の向上というよりも、
エストロゲンの同化作用の結果であると思われる。

結論として、レジスタンストレーニングを受けた無月経の女性は、
月経周期の異なる時期に、スミスマシンのハーフスクワット運動で
1RMの20、40、60、80%に相当する負荷で運動した場合、
速度、力、パワーパフォーマンスが同程度であることが示唆された。

まとめ

スミスマシン・・・ハーフスクワット・・・
フルスクワットとは大きく変わりますし、
スミスマシンのような軌道が固定されている動きと、
バーベルフルスクワットは一緒にしてはいけませんよ。

というかそもそも、月経周期で女性は
前十字靭帯損傷リスクが変わるのに
ハーフスクワットとはチャレンジャーだと思いました。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。