人の意識が筋肉に及ぼす影響について

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、Quadriceps Settingにおける理学療法士の
介入方法が大腿四頭筋の筋活動に及ぼす影響についての
論文を引用していこうと思います。
Quadriceps Settingは、リンク先に画像もあるので
そちらを参考にしてみてください。

論文

本研究ではセッティングの指導における理学療法士の
口頭指示による介入方法に着目した。
注意を自分の身体運動に向けさせるInternal focusと
注意を身体運動が環境に及ぼす効果に向けさせるExternal focusによる、
セッティング時の大腿四頭筋の筋活動との関係について筋電図を用いて検討した。

長座位(股関節屈曲80°)にて足関節背屈を伴う
下記の3つの課題のセッティングをおこなった。
各課題における理学療法士の口頭指示による介入方法として、
課題1は対象者自身の膝に注意を
向けさせることから「注意を自分の身体運動に向けさせるInternal focus、IF)」 とした。
課題2と課題3は枕を用いることから
「注意を身体運動が環境に及ぼす効果に向けさせるExternal focus 、EF)」とした。
課題1(IF)は「足首を反って、膝を伸ばして下さい」、
課題2(EF)は膝窩部に柔らかな枕を置き「この枕を膝の裏で押して下さい」、
課題3(EF) は踵部が実際には触れない距離で前方に
硬めの枕を置き 「足首を反って、枕に向かって踵を前方に
押し出すようにしながら膝を伸ばして下さい」と指示した。

患者群では、課題1より課題3、課題2より課題3において
大腿四頭筋の筋活動量の増大を認めたことから
課題3のEFが有効である可能性が示唆された。

よって、患者群では術後の膝関節の受容器の
感受性の低下に伴い運動を意識化することが困難なため、
膝関節の運動を意識させる課題1のIFでは充分な大腿四頭筋の
筋収縮が得られなかったのではないかと推察された。
しかし、課題1と課題2には有意差がなかった。
この結果から課題2は、膝裏で枕を押すという環境に働きかける
動作課題として、設定したものの、「膝裏」という言語的指示が
身体を意識させる結果となってしまった可能性が考えられた。
また、患者群では課題2より課題3で大腿四頭筋と
大殿筋の筋活動量が増大した。

まとめ

この口頭指示の使い分けはトレーナーに最も必要な技術です。
どんなに知識が有ろうともお客さんの
身体を思い通りに動かせないのでは意味が無いです。
といっても知識があるのは前提になってくるので、
結局どちらも必要にはなるのですが。
ボディメイク系の人が重さ扱えないのは
トレーニングメニュー的な要因がありますが、
IFだったりする場合もあります。

人間が意識の先、思考次第で
身体の動きを変えてしまいます。
だからこそ、あらゆるパターンを覚える必要があります。
例えば、足の指で地面を踏み続けてくださいとと指示を出したとします。
すると人によって指の感覚が弱い人なら適切にフォームができるかもしれません。
逆に指の感覚がしっかりしている人なら重心が前にズレるかもしれません。
ここに骨格における重心位置の違いなども入ってくるので
中々に難しいところではあります。
この辺りを一人一人身体が違うので、
見極め、使い分けれるといいのかなと思います。
不完全情報ゲームに見える完全情報ゲーム的な。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。