バルクアップ期の超高たんぱく質摂取について

こんにちはTOMOAKIです。
大会シーズン真っ只中ではありますが、
既に今年の大会を終えて次の大会に向けて
筋肥大期に突入する人も少しずつ増えてきています。

多くの選手を指導していて、
筋量不足が課題の一つと感じる方は非常に多いです。
ボディビル競技は長期戦、
次のシーズンに向けて今から
コツコツ筋肥大させることが
来シーズンの戦績アップに繋がります。

そこで、今日は筋肥大の中でも重要な
たんぱく質摂取について紹介していきます。

たんぱく質の推奨摂取量

米国 (US) が推奨するタンパク質の食事許容量 (RDA) は、
1日あたり体重1キログラムあたり0.8グラム (g/kg/日) です。
国際スポーツ栄養学会 (ISSN) は、1.4~2.0g/kg/日です。

2018年に発表されたメタ分析では
筋肥大を最大化するためのタンパク質
推奨摂取量は体重×1.62g/kg/日
です。

2022年のメタ分析でも筋トレと併用して
1.6g/kg/日以上を摂取することが
除脂肪体重の増加、筋力向上に効果的であるとされています。

推奨量を超過する摂取について

一方で上限値について2017年のメタ分析
タンパク質補給の場合、〜1.6g/kg/日を超える量の
タンパク質摂取は、筋トレによって誘発される
除脂肪体重の増加にさらに寄与しないと言われています。

しかしYoutubeやSNS、実際のクライアントさんの中でも
それを上回る3.0g/kg/日、4.0g/kg/日など摂取されている方もいます。
例)体重70kgで210gなど

たんぱく質を一般的な推奨量を超過して摂取することで
更なる筋肥大の恩恵はあるのでしょうか?

筋トレをしている人を対象にしているもので
摂取エネルギー量の余剰を作っている、
言い換えるとバルクアップ狙いで
上記の推奨量を上回る摂取量で実験している
研究をいくつか紹介していきます。

4.4g/kg/日

こちらの研究では

高カロリー高タンパク質食が脂肪量の増加に
寄与しない
ことを実証しました。
さらに、体重や除脂肪体重にも変化はありませんでした。

Jose Antonio 2014

少数の被験者は胃腸の不調や「暑い」(つまり、体温が慢性的に上昇している)と訴えました。

Jose Antonio 2014

特段メリットはなさそうです。
どちらかというと胃腸の不調など
デメリットは一部の被験者でありそうです。

3.4g/kg/d (2015)

上記の研究はタンパク質を追加するだけでは、
運動計画を変更しないトレーニングを受けた
個人の体組成に実質的な変化が生じないという結論でした。

そこで高タンパク質の食事と定期的な
高負荷トレーニングプログラムが体組成、
パフォーマンス、健康の指標に影響を与えるかどうか調査しています。

高たんぱく質の食事 (3.4 g/kg/日) を
高負荷のレジスタンス トレーニングプログラムと
組み合わせて摂取すると
、体組成に関して
利点が得られる可能性があります

たんぱく質量だけでは効果はなく
高負荷のトレーニングが合わさることで
更なる利点がありそうとのことです。
純粋にトレーニングの質が重要なのでは?と思います。

悪影響は?

1年間高たんぱく食(約2.51~3.32 g/kg/日)を摂取したレジスタンストレーニングを受けた男性において、血中脂質の測定値や肝臓、腎臓の機能に悪影響がなかったことが判明しました。さらに、高タンパク期中のエネルギー摂取量の総増加にもかかわらず、被験者は脂肪量の増加を経験しませんでした。

Jose Antonio 2016

トレーニング計画を大幅に変更せずにレジスタンストレーニングを行った若い男性において、4 か月間にわたって高タンパク質食 (2.6 ~ 3.3 g/kg/日) を摂取しても、血中脂質や腎臓および肝臓のマーカーには影響がありません。関数。パフォーマンスや体組成にも変化はありませんでした。これは、レジスタンストレーニングを受けた被験者を使用した最初のクロスオーバー試験であり、タンパク質摂取量を推奨食事許容量の 4 倍を超えて増加しても有害な影響は示されませんでした。

Jose Antonio 2016

しかし、最近の証拠は、タンパク質と炭水化物および/または脂肪の過剰摂取には、体組成に関連する量的な違いがあることを示唆しています。タンパク質の過剰摂取や高タンパク質食の摂取は、通常の摂取量または習慣的な摂取量を超えるカロリーを摂取しているにもかかわらず、体重や脂肪量の増加をもたらさない可能性があります。

Alex Leaf 2017

たんぱく質量を過剰にしても
体重や体脂肪の増加などは
あまり見れれないようです。

4ヶ月や1年といった範囲では
有害な悪影響は確認されていません。

まとめ

たんぱく質の推奨量を超える摂取は
筋肥大に更なる恩恵はなさそうです。

一部の研究では被験者は胃腸の不調や
慢性的な体温の上昇などを訴えています。

また炭水化物や脂質からのオーバーカロリーと違い
たんぱく質からのオーバーカロリーでは
体重や体脂肪の増加をもたらさない
可能性が示唆されています。

個人的にたんぱく質を体重×2g摂取するのでも
割と大変なのに、3倍も4倍も摂取する
利点も必要性もないのかなと思います。

私も普通に胃が疲れそうな気がします(笑)

有害な悪影響は観察されていないので
試したい人は好きに試してもいいんではないでしょうか。

たんぱく質は1.6g~2.2gほどの適量摂取し、
あとは炭水化物をしっかり摂取する
方が
パフォーマンスアップにも繋がり
バルクアップに重要かなと思います。

以上

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TOMOAKI

2021年度JBBFジャパンオープンクラシックフィジーク168cm以下級準優勝など数多くのコンテストで優れた成績を残し続けており、2022年度から正式にmaison de FLEXER所属のパーソナルトレーナーとして指導中。KONDOやKAMEYAMAより常日頃から様々な知識を供給されそれを活かしてオンラインコーチングで月当たり約30名を指導している。