こんにちはTOMOAKIです。
先日クライアントさんと
リカバリーウェアについての話題が出ましたので
今日はリカバリーウェアについて
・トレーニング後の回復効果があるのか
・パフォーマンスアップにつながるのか
などについて論文をもとに紹介していきます。
リカバリーウェアは、
身体の特定の部位を対象とするものや
全身を対象とするもの、
圧力をかけるものなど、
様々なタイプがあります。
※本記事ではリカバリーウェアと一言に和訳していますが
実際には誤った表現があるかもしれません。
ご了承ください。
それでは論文を見ていきましょう。
パフォーマンスや回復に関する研究
1. パフォーマンス効果なし
下半身用圧縮ギアを着用した
中長距離ランナー、トライアスリート11人を
対象にしたこちらの研究では
下半身用圧縮ギアの着用で
静脈の流れの改善に関連する
微少な心肺および末梢生理学的利点が
あることが示唆されたが、
これらの改善はアスリートにとって
微々たるものであり、持久走の
パフォーマンスの改善にはつながりませんでした。
2. 筋肉痛軽減効果ありパフォーマンス効果なし
下降ジャンプトレーニング後の
筋肉損傷の指標とパフォーマンス低下を、
下肢の圧縮ガーメントを着用することで
軽減するかどうかを調べた研究では、
11人のトレーニングを受けた男女が、
最大ドロップジャンプを5回行い、
その直後に圧縮タイツを着用するグループと
休息する対照群に無作為に割り当てられました。
筋酸素キナーゼ(CK)および
乳酸脱水素酵素(LDH)の血液検査、
膝上囲む長さの測定、筋肉痛の認知報告(PMS)、
スプリント、アジリティ、
カウンタームーブメントジャンプなどの
パフォーマンステストが実施されました。
研究結果は、圧縮タイツを着用することで、
一部の被験者において
CK反応とPMSが軽減される
可能性があることを示していますが、
パフォーマンスには効果が見られませんでした。
3. 回復促進に効果あり
圧迫ガーメントがダメージ性運動後の
回復に与える影響を調べたメタ分析では、
圧迫ガーメントの使用は、遅発性筋肉痛の重症度、
筋力、筋力およびクレアチンキナーゼを
中程度に減少させる効果があることが示されました。
これらの結果は、圧迫ガーメントが
筋肉ダメージからの回復を促進するのに
効果的であることを示しています。
4. パフォーマンス、筋肉損傷有意差なし
11人のエリート柔道選手を対象に、
カスタムフィットの圧縮ガーメントの
調べた研究では結果、
圧縮ガーメントは、選手たちが回復について評価すると、
プラセボに比べて有効と認識されたが、
パフォーマンスや筋肉損傷のマーカーには
統計的に有意な影響は認められませんでした。
また、筋肉損傷反応は一定ではなく、
下半身のパフォーマンスにも
影響はなかったことが示された。
5. 筋肉痛・疲労感軽減、パフォーマンス効果なし
30名のバスケットボールの選手において、
下半身のコンプレッションガーメントが、
回復力とパフォーマンスに
与える影響を調べた研究では、
パフォーマンスの全ての測定結果について、
コンプレッションガーメントの効果は
非常に小さかったまたは不明でした。
コンプレッショングループは、比較グループに比べ、
回復後の疲労感(d = -1.27, 大)と
筋肉痛(d = -1.61, 大)が有意に低い結果となりました。
睡眠の主観的評価では、
コンプレッショングループは比較グループに比べ、
睡眠の質が良かった(d = 0.42, 小, p = 0.18)が、
睡眠時間の違いは不明でした(p > 0.05)。
バスケットボールの選手において、
下半身のコンプレッションガーメントを着用することで、
疲労感と筋肉痛が軽減されたが、
パフォーマンスにはほとんど影響がありませんでした。
まとめ
リカバリーウェアに対して言われている
回復効果、パフォーマンスへの影響については、
論文によって結果が異なることが分かります。
エルゴジェニック効果を支持する
説得力のある科学的証拠は限られており、
研究間の異質性が大きいです。
運動後の腫脹や筋肉痛の評価について、
リカバリーウェアを着用した方が良好な結果が
得られる場合があるが、必ずしもそうではないです。
効果は個人差や使用方法によって異なるため、
全ての人にとって効果的とは限りません。
また、リカバリーウェアが万能の
回復手段であるわけではなく、
適切な栄養、休息、トレーニング方法の
確立などが必要です。
以上