肩峰下インピンジメントへのレジスタンス運動の恩恵

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、長年の肩峰下インピンジメント患者が
レジスタンス運動から受ける恩恵について
調べた論文を引用していこうと思います。

論文

この研究では、長期間の肩峰下インピンジメントを有する患者において、
16週間の追跡調査時に、時間分割アプローチによる通常ケアに
大量のレジスタンス運動を追加することが、
通常ケアのみよりも疼痛メカニズムおよび疼痛の異化の改善に
優れているかどうかを調査することを目的としました。
また、肩の筋力と障害の改善における追加運動の効果に対する
痛みのメカニズムや痛みの異化の修飾効果についても調査した。
最後に、ベースラインから4ヶ月後の肩の強さと障害の変化に対する、
肩の強化運動量と中心的な痛みのメカニズムの影響を調査した。

結果として、肩峰下インピンジメント患者において、
通常のケア(簡単な疼痛教育を含む時間条件付きアプローチ)に
レジスタンス運動を大量に追加しても、
痛みのメカニズムや痛みの異化の改善において
通常のケアのみと比較して優位性はないが、
痛みの異化の程度によって肩の障害の改善効果が変化することがわかった。

さらに、肩の障害に関連する痛みのメカニズムの
修飾効果を示す証拠は見つからなかったが、
運動量が多いほど肩の障害の大きな改善と関連するが、
肩の強さは改善しないことがわかった。

簡単な痛み教育は、否定的な痛みの認知を
改善するのに十分ではなかったと思われます。
痛覚異常のレベルが高い患者ほど、追加運動の実施回数が少なく、
追加運動による効果が得られなかったことの説明になると考えられる。
したがって、痛みの異化のレベルが高いほど、
運動誘発性痛覚過敏が増加することが知られており、
一方、痛みの反応が大きいと、さらなる運動セッションを完了する意欲が減退する可能性がある。
とはいえ、完了した追加運動量の差(2時間対3.7時間)は、
2つの層間の効果の差を完全に説明するものではなく、
特に痛みの異化のレベルにかかわらず、用量反応関係を考慮すると、
より高いレベルの痛みを持つ患者において好ましくない効果が
生じる傾向があることは明らかである。
そのため、介入の他の要素が、痛みの異化レベルが高い患者に対して
好ましくない影響を与えた可能性があります。
痛みを伴うエクササイズを可能にするアプローチを用いることは、
痛みの異化がある場合には逆効果になる可能性があると推測しています。

結論として通常のケアに抵抗運動を追加しても、
通常のケアのみと比較して、疼痛メカニズムや疼痛のアウトカムに
優れた改善はみられなかった。

ベースライン時の痛みのレベルが低い患者では、
追加の運動は自己報告による障害の改善において優れていた。
さらに、完了した追加運動量が多いほど、
肩の障害の改善が大きいことに関連する。

まとめ

動かすにしてもその効果は、
痛みの度合いによって効果が変わりますよ。
痛みが弱いなら、追加の運動は障害の改善において優れていたよ。
ついでに、追加運動量が多いほど、
肩の障害の改善が大きいことに関連するよ。
って感じです。

痛みが強過ぎるときは休んで、
引いてきたらしっかり動かしましょうってことですね。
身体を動かす方々で一部ですが、
痛み引く前に動かし過ぎです。
痛みが出た動きを繰り返し過ぎです。
と怪我しても当然の人もいるので、
そういう人は休むことの重要性をもっと理解した方がいいですね。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。