こんにちはTOMOAKIです。
先日クライアントさんとの間で
酸素カプセルという話題が出ました。
疲労回復に関して酸素カプセルは
効果があるのかどうか?
十分研究されいているのか
気になるところです。
そこで今日は酸素カプセルについて
研究を元に解説していきます。
酸素カプセル健康機器と医療用の違い
まず、酸素カプセルですが
健康機器のものと、医療用のものと
大きく2種類あります。
健康気圧チェンバー
酸素カプセル機器の正式名称は,
健康気圧チェンバー
(health care chamber:HCC)といい、
空気を1.3 ATA(absolute pressure)までの
範囲で加圧することが許されています。
健康気圧機器として位置付けられており、
これを利用した行為はhyperbaric aircare(HBAC)
といわれています。(1)
酸素カプセルは、空気(21%)にて圧力を上昇させ
約1.3絶対気圧の状態で空気(21%)を吸入します。
酸素運搬の改善は極小であり治療効果もなく、
唯一心理的効果(プラセーボ効果)のみが
期待できるとされています。(2)
また他の論文内では
HBACは怪我等の治癒あるいは抗炎症作用を
期待する機器ではなく、健康の保持・増進や
疲労軽減効果を期待したリラクゼーション機器
と位置付けられています。(1)
研究結果の紹介
この研究では、バレーボール選手が合宿の翌日に
HBACを行うことが心身のコンディショニングツール
として有効かどうかを調べました。
結果として、唾液アミラーゼを使用した実験により、
HBACが交感神経を抑制し、
ストレスを軽減させることが示唆され、
合宿翌日の心身コンディショニングツールとして
有用であることが示されました。
ただし、被験者個々のデータを比較すると、
一貫してHBAC前よりも後の値が
下がっているわけではなく、
個体差が確認されたため、
今後はより多くの被験者を対象に
研究を進める必要があると結論付けられました。
医療用の高圧酸素チェンバー
一方、医療用の高圧酸素チェンバーを利用した行為は
高気圧酸素療法(hyperbaric oxygen care: HBOC)
といわれHBACとは区別されています。
厚生労働省が治療と認可している、
2~6気圧のチェンバー内で
100%酸素によって治療することです。
これによって、生体への酸素運搬は
大幅に改善され、一酸化炭素中毒・
敗血症・ガス壊痕症その他
酸素不足に伴う病態あるいは
酸素供給改善で修復できる病態に
有効とされています。(2)
研究結果の紹介
この研究では、ブラジリアン柔術選手の
トレーニング後の回復における
高気圧酸素療法の効果を評価することでした。
11人の選手を対象に、2つのトレーニング
セッションの前後に、2時間のパッシブな
回復または同じ時間の高気圧酸素療法を
ランダムに割り当てました。
トレーニング前、直後、2時間後、24時間後に
血液検査を行い、ホルモン濃度、細胞損傷マーカー、
評価尺度を調べました。
研究結果によると、高気圧酸素療法は、
ホルモン状態や細胞損傷マーカーには
影響を与えませんでしたが、
高気圧酸素療法後の回復感は高くなりました。
この高気圧酸素療法が回復に
有効であるかどうかは、
更なる研究が必要とされます。
この研究では、日本のプロまたは
セミプロのラグビープレイヤーのうち、
MCL(内側側副靭帯)の2度損傷を受けた
32人を対象に調査が行われました。
MCLは、膝の内側に位置する靭帯で、
スポーツ選手にとっては比較的
一般的な怪我の一つです。
HBO2グループでは、
急性期に高気圧酸素療法(HBO2)が行われ、
痛みの主観的な評価指標である
VASスコアが同日に比較されました。
また、HBO2グループと非HBO2グループの両方について、
復帰までの時間を後ろ向きに評価しました。
研究結果からは、HBO2療法が
MCL損傷の痛みを軽減し、
復帰までの時間を短縮する
可能性があることが示唆されました。
まとめ
酸素カプセルには、
健康機器と医療用の2つの種類があります。
健康機器の場合、加圧された空気による
酸素運搬の改善は期待できず、
心理的効果のみが期待されています。
しかし、これらの健康機器は、
リラクゼーションや疲労軽減の効果があるとされており、
ストレスを軽減し、心身のコンディショニングに
有用であることが示唆されています。
ただし、個体差があるため、
より多くの被験者を対象にした研究が必要です。
一方、高気圧酸素療法は、
一酸化炭素中毒や敗血症などの病態に有効とされています。
さらに、スポーツ選手においても、
高気圧酸素療法が回復感を高める効果が
あることがわかっています。
例えば、ブラジリアン柔術選手を
対象とした研究では、高気圧酸素療法が
回復感を高める効果があることがわかりました。
また、MCL損傷を受けたプロまたは
セミプロのラグビープレイヤーにおいて、
HBO2療法が痛みを軽減し、
復帰までの時間を短縮する可能性が示唆されました。
しかし、これらの研究結果は限られたものであり、
更なる研究が必要であるとされています。
高気圧酸素療法は、医療機関でしか
行われないため、専門の施設で受ける必要があります。
酸素カプセルは
健康用はプラセボ効果のみ、
医療用は効果ありそう、
こんな感じかなと思います。
以上