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2023.03.30

パーソナルQ&A「お腹の脂肪を優先的に落とすには?」

こんにちはTOMOAKIです。
先日パーソナルにて2ヵ月後のとあるイベントまでに
お腹や腰回りの脂肪を落とすのに特化したトレーニングは
できますか?
という質問を受けました。

言い換えると特定の身体の部分の脂肪を狙って落とす
部分痩せは可能かどうか?という話になります。

そこで今日は部分痩せに関する論文をいくつか紹介していきます。

部分痩せは可能か?

Youtubeなどでは
1日4分!落ちづらい下腹部の脂肪燃焼
腰肉を落としてくびれをつくる!お腹引き締めトレーニング」など
特定の部位の脂肪を減らすことを謳った動画があります。

しかし部分痩せの理論は、
現状、科学的な根拠としては乏しいです。

脂肪減少のしくみ

まずは体がどのように脂肪を燃やすかを知りましょう。

細胞内の脂肪は、トリグリセリドという形で存在し、
体がエネルギーとして使用できる貯蔵脂肪です。

エネルギーとして燃焼させる前に、
トリグリセリドは遊離脂肪酸とグリセロールという小さなパーツに分解され、
血流に乗ることができるようにならなければなりません。

運動中、燃料として使用される遊離脂肪酸とグリセロールは、
特に運動している部位からではなく、体内のどこからでも来ることができます。

部分痩せを調査した研究


多くの研究が部分痩せ(スポットリダクション)が効果的でないことを示しています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21804427/

例えばこちらの研究では24人の健康だが運動不足な人々が、
腹筋エクササイズグループとコントロールグループにランダムに分けられました。

腹筋エクササイズグループは、1日2回、週5回、
6週間にわたって7つの運動を行いました。
両グループとも研究中は食事について一定のルールを守りました。

テストの結果、体重、体脂肪率、腹囲、その他の測定値については、
2つのグループの間に有意な差はありませんでした。

しかし、腹筋エクササイズグループは、筋力持久力において
コントロールグループに比べて有意な改善が見られました。

結論として、腹筋エクササイズ単独では腹部脂肪を減少させるのに
十分ではありませんが、筋力持久力を有意に向上させることができるということが示されました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25766455/

また、この研究では、肥満および過体重の女性において、
食事と腹部抵抗トレーニングプログラムを食事のみと比較して、
腹部皮下脂肪厚およびウエスト円周に及ぼす影響を比較することを目的としています。

研究は40人の女性を2つのグループにランダム分割し、
12週間の介入前と介入後にウエストおよびヒップの円周、
腹部スキンフォールドを測定し、超音波を用いて腹部皮下脂肪厚を測定しました。

その結果、両グループの参加者の体重は減少したが、
腹部皮下脂肪厚、ウエスト円周、ヒップ円周、体重指数、
体脂肪率、およびスキンフォールド厚さなどの他の変数において、
両グループ間には有意な差は見られませんでした。

したがって、本研究により、食事に加えた腹部抵抗トレーニングは、
過体重または肥満の女性において、食事のみと比較して
腹部皮下脂肪厚を減らすことができないことが示されました。

https://journals.lww.com/acsm-msse/fulltext/2007/07000/Subcutaneous_Fat_Alterations_Resulting_from_an.20.aspx

上半身のレジスタンス・トレーニングの効果に
焦点を当てた研究でも、同様の結果が出ています。

この研究では、104人の男女を対象に、
12週間の抵抗トレーニングの前後で皮下脂肪の変化を比較しました。

その結果、男性のトレーニングした腕の皮下脂肪量は減少したが、
女性や全体では変化が見られませんでした。

さらに、MRIと皮膚脂肪厚を用いた評価の比較から、
局所的な脂肪減少(スポットリダクション)は
抵抗トレーニングによって起こらないと結論付けられました。

まとめ

ほとんどの科学的根拠は、部分痩せ(スポットリダクション)は効果がなく
脂肪の減少は運動している体の部分ではなく、
体全体に一般化する傾向がある
ことを示しています。

質問にあった、
お腹や腰回りの脂肪を落とすのに
特化したトレーニングは今のところないです。

適切な食生活や運動も可能なら取り入れつつ
身体全体の脂肪を減少させていくことで
本来落としたいお腹、腰回りの脂肪も
徐々に落ちていきます。

ちなみに部分痩せはできませんが、
狙った部分に筋肉を付けることは可能です。
例えばお尻や背中の筋肉を付けることで
身体にメリハリを出せばくびれを強調できます。

過去記事おすすめ:ダイエットを成功させる3つのポイント

参考記事

https://www.healthline.com/nutrition/targeted-weight-loss#TOC_TITLE_HDR_3

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TOMOAKI

パーソナルトレーナーでFLEXER COACHINGのメインコーチ。ブログでは主にオンラインコーチング上で得た知見のシェアや減量(ダイエット)、筋肥大に関する記事を執筆しています。

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