みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、12週間の高負荷腱運動は、アキレス腱症の
腱の硬さと断面積の増加について調べた論文を引用していこうと思います。
論文
この論文では高負荷腱運動が、腱の有益な機械的、材料的、形態的適応、
足底屈筋力および臨床パラメータの観点から優れた治療効果をもたらすと仮定して、
アキレス腱症患者を対象に対照臨床試験を実施した。
一般的な標準運動療法(Alfredsonの偏心運動プロトコル)、
または受動的療法(機械的負荷をかけない)と比較した場合、
腱の有益な機械的、材料的、形態的適応、および機能パラメータ、
腱の血管性において、優れた治療効果が得られると仮定した。
対象者は、男性、20歳以上55歳未満、アキレス腱症の慢性期(3ヶ月以上)で、
受動的療法群(n = 14)、Alfredson群(n = 15)、高負荷群(n = 15)の44名である。
結果として仮説通り、アキレス腱の硬さと腱の断面積(CSA)を増加させることで、
高負荷プロトコルは男性の腱障害患者に、
以前に男性の健康な腱で観察されたのと同様の反応をもたらしました。
高負荷群におけるこれらの反応は、有意な臨床的改善を伴っていました。
しかし、VISA-Aスコアは高負荷群のみならず、
介入プロトコルとそれに伴うアキレス腱の形態的・力学的適応に
関わらず全ての群で上昇したことから、
臨床的改善という点では、運動療法プロトコルの有効性は
腱の構造的適応を誘導する能力のみと関連はないことが判明した。
高負荷群における機械的および形態的適応は、
組織の完全性を改善し、さらなる緊張損傷のリスクから
腱を保護すると考えられるため、長期の効果は優れているのかもしれない。
結論として高負荷プロトコルの適用は、健康な参加者において既に信頼性と有効性が示されており、
男性のアキレス腱障害患者の運動療法オプションとして非常に有望な結果を示した。
高いコンプライアンスと障害となる事象が報告されていないことから、
この治療法は非常に実現性の高いものであることが示唆されました。
構造的な適応は、長期的な健康上の利点につながる可能性があり、
この治療法は支持されます。
さらに、偏心運動プロトコルと比較して、自宅での適用とその時間短縮は、
高いアドヒアランスを得るために有益であると考えられる。
したがって、我々は、アキレス腱症患者における高負荷の適用を、
アキレス腱症のリハビリテーション管理における
臨床家と療法士にとって効果的な治療プロトコルとして推奨するものである。
まとめ
腰痛でもそうですが、
運動することのメリットが大きいですね。
ちなみにですがアキレス腱の疼痛や腫張による機能障害をきたす疾患を、
総じてアキレス腱痛症とよび、これらは病変部位により
非付着部アキレス腱症、またはアキレス腱付着部症に分類され、
さらに前者はアキレス腱実質部の変性を主体としたアキレス腱症と
アキレス腱周囲のパラテノンの炎症を主体とするアキレス腱周囲炎に分類されます。
非付着部アキレス腱症は主にランニングやジャンプ競技の
アスリートに起こるオーバーユース障害であり、
痛みによる競技能力の低下やアキレス腱断裂などに繋がります。
アキレス腱症の痛みが出ている人は、
受動的な治療だけじゃなく、
自身でのトレーニングをしてみると良くなるかもしれませんね。
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