こんにちはTOMOAKIです。
オンラインやパーソナルの現場で食事指導をしていると
健康診断で「脂肪肝」と診断されましたという方がたまにいます。
脂肪肝とは肝臓の細胞に中性脂肪が30%以上蓄積した状態です。
脂肪肝は肥満や飲酒が主な原因です。
特にお酒を飲まない人の脂肪肝を
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と言います。
(1日あたりのアルコール摂取量が20g以下であることが条件)
健康診断を受ける成人の2〜3割が
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とかなり多いようです。
(「NASH・NAFLDの診療ガイド2010」(日本肝臓学会))
脂肪肝は肥満を背景とする生活習慣病ですので、
治療で大切なのは食事療法と運動です。
そこで今日は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者に対する
運動のうち筋トレの効果を評価した研究を紹介していきます。
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研究
方法:二次性肝疾患のない(例:B型肝炎ウイルス、
C型肝炎ウイルス、過度のアルコール摂取のない)NAFLD患者を
登録した無作為化臨床試験で患者は、
週3回、3ヶ月間、RT(筋トレ)を行う群と、
自宅でのストレッチを行う対照群のいずれかに無作為に割り付けられた。
RTは、レッグプレス、チェストプレス、シーテッドローイング、
広背筋プルダウンなどを、8~12回、各3セット、合計40分間行った。
結果:3ヶ月後、NAFLD患者82名のうち
体重変化3kg以上による脱落または解析からの除外の後、
RT群33名、ストレッチ群31名が研究を完了した。
HRIスコアは、ストレッチ群に比べRT群で有意に減少した(-0.25 ± 0.37 vs -0.05 ± 0.28, P = 0.017)。
(HRIスコア:肝腎指数、肝臓と右腎臓の輝度レベルの比率を表す肝超音波インデックス)
RT群では、除脂肪体重の増加とともに、総脂肪、
体幹脂肪、甲状腺脂肪の減少が有意に高かった。
RT群におけるHRIの減少と試験中の体重変化との間に相関はなかったが、
体幹脂肪の変化と正の相関があった(r = 0.37, P = 0.048)。
RT群では、血清フェリチンと総コレステロールが有意に減少した。
食事の変化には群間で有意差はなく、これらはHRIの変化と相関がなかった。
結論:3ヶ月の筋トレは、体組成とフェリチンの好ましい変化を伴って、
肝脂肪量を改善する。
筋トレはNAFLDの治療を補完するものとして役立つ可能性がある。
まとめ
以上の様に筋トレは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の
肝脂肪量を改善し、治療を補完するものとして役立つ可能性があります。
もちろん脂肪肝を治療していく上で筋トレのみではなく、
食事療法をすることは必須です。
糖質の内容制限や飽和脂肪酸の摂取を抑制する、
食物繊維を意識して摂取するなどしながら
運動と並行していくことで人によっては数か月ほどで治ったりします。