脊柱管狭窄症のコクランレビュー

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、脊柱管狭窄症についての
論文を引用していこうと思います。

全然意識していなかったですが、
世間的に、特に高齢者では10人に1人ぐらいと
わりと多いのに、一度も記事にしていなかったです。
とりあえずコクランレビューから。

先に腰部脊柱管狭窄症の解説だけ。
腰部脊柱管狭窄症(LSS)とは、
中心脊柱管、外側陥凹、椎間孔が狭窄し、
関連する神経血管構造を圧迫している状態を指し、
変性腰部狭窄症は、加齢に伴う脊椎の変化から生じます。
脊柱管狭窄症の特徴は、歩行により悪化する
下肢痛と神経症状からなる神経原性跛行です。
なので、下肢の痛みや不快感のために、
LSS患者は歩行を避け、
歩行能力低下など良くない方向に進みがちです。

論文

この研究の目的は症状のある腰部脊柱管狭窄症(LSS)の成人患者において、
様々な種類の手術と様々な種類の非外科的介入を比較し、
その有効性を評価すること。
主要評価項目はQOL、障害、機能、疼痛である。
また、合併症の発生率や副作用を考慮し、
短期、中期、長期(6ヶ月、6ヶ月~2年、5年以上)のアウトカムを評価すること。

643人の腰部脊柱管狭窄症の患者を対象に、
手術と非手術の治療を比較した5件の研究が含み、
参加者の平均年齢は59歳以上であった。
期間は6週間から10年であった。

結果として、腰部脊柱管狭窄症の患者にとって
外科的治療と非外科的治療のどちらが良いかを結論づけることはできない。

3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月における障害に関して、
減圧と保存療法は同様の結果を示し、
24ヵ月においては、1つの研究で外科的減圧の方が良い結果を報告した。
ステロイド注射と軽度の減圧術を比較した1つの小規模な研究では、
6週間後の障害(ODI)に差がないことを示す低品質のエビデンスが示された。
この同じ研究では、6週間後の身体機能は注射の方が良く、痛みは、
軽度の除圧よりも悪いという結果が出ている。
別の1件の研究では、6週間、6ヵ月、1年の追跡調査において、
棘突起間装置と外科的除圧が保存療法に勝るという低品質のエビデンスが見つかった。
1つの研究は分類待ちであるが、報告された結果は記載されたものと
同様であるため、結論に変化はないと思われる。

結論、このレビューでは、643人の参加者から成る5件のRCT(10件の文献)を分析し、
異なる外科的処置と保存的アプローチを比較した。
5つの研究全てに減圧法が適用され、固定を伴うまたは伴わない標準的な減圧から、
棘突起間装置に基づくより侵襲性の低いアプローチまで、様々であった。
保存的治療法としては、装具、理学療法、硬膜外ステロイド注射、
その他あまり説明されていない方法など、さまざまな方法を適用していた。

まとめ

どの方法でも改善することは出来るよ。
引用論文的には正確性で見ると外科手術のがよさげ?
ただ、すべての研究の責任者が外科医だから
外科的な方はアプローチが正確で、
保存的なアプローチは不十分か欠如してるよ。
だからバイアスもあるかもね。

短くまとめてみました。
最近、お客様のお父様で、
9年前にLSSの手術受けて、良くなったけど
最近痛みがまた出始めてきたとの話を聞きました。
LSSは姿勢的な要因でもなり得るわけなので、
しっかりとリハビリを行ったり、
生活の中での根本を正さないと再発してもおかしくはないです。

人生100年時代。
しんどい老後を送るかどうかは
割と早い段階でからの準備が必要かなと思います。
貯金はしても、身体が悪くなれば、
余分にお金が必要になりますよ。

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。