歩数と食後の脂肪代謝について

みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は歩数と食後の脂肪代謝を調べた論文を
引用していこうと思います。

論文

身体活動や運動による心代謝系健康効果は
1回の運動で急性に得られ、
数日の運動不足で失われます。
急性の運動が食後高血糖の低下と改善をもたらした研究の参加者では、
約7000~8000歩を積み重ねていた。
歩数の低い方では、14-d-1以上座っていて
1日1650歩しか歩かない被験者に
最大酸素摂取量(VO2max)67%で1時間走らせても、
翌朝の食後高中性脂肪血症を改善できない事を報告している。
この研究では、1日の歩数を減らし、
中強度の運動を1回1時間行うことで、
翌日の血漿トリグリセリドとグルコースの食後反応、
および脂肪酸化を改善する効果を系統的に検討することであった。

10名の参加者が、歩数減少のレベルが異なる3つの5日間にわたる
無作為クロスオーバーデザインの試験を行った。
2日間の活動コントロール後、参加者は2日間、
低歩数、制限歩数、通常歩数(それぞれ2675±314、4759±276、8481±581歩/日)を実施した。
2日目の夕方に1時間のランニングを実施した。
翌朝、高脂肪耐性試験を実施し、食後反応を比較した。

結果としてLOWとLIMITEDでは、
食後の血漿中トリグリセリドの曲線下面積(AUC)が
NORMALと比較して22%~23%上昇した。
全身脂肪酸化も、LOWとLIMITEDではNORMALと
比較して有意に低かった(それぞれ16%〜19%)。
LOWとLIMITEDの間に有意差は認められなかった。

結論として健康な若年者において、
1日約2500~5000歩に2日間歩数を減らすと、
急性期の運動による脂肪酸化の増加および
血漿トリグリセリドの食後上昇を抑制する能力が
損なわれることが示された。

このことは、1日約5000歩以下の歩数では「運動抵抗性」が生じるが、
1日8500歩では脂肪代謝における運動抵抗性を
防ぐことができることを示唆している。

脂肪代謝は、1時間の中強度ランニングから
得られる刺激効果よりも、運動不足による抑制効果の影響を受けるようである。

まとめ

簡潔に言うと、
運動のメリットに糖質や脂質の
代謝を向上させることが挙げられますが、
運動量が少ないと運動のメリットに対して
”運動抵抗性”が生じるかもよってことです。


論文的には8500歩/日を推奨している感じですね。
個人的に脊柱に垂直に負荷を受ける
立位の状態はそれだけでメリットにもデメリットにもなり得ますが
個人的にはメリットの方が大きく感じます。
濃厚接触者の隔離で身に染みて体感しましたね。
あんなの10日もやってたら、
コロナの後遺症どうこうじゃなくて、
筋肉の非活性化で不調が続きますよ。
長期臥床が強いられると、
廃用性萎縮が生じます。
0.5%/日のペースで落ちるとも言われています。
健康のためにもしっかり動き、たくさん食べて
たくさん寝ましょう。

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この記事を書いた人

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KAMEYAMA

パーソナルトレーナー
NSCA-CPT

ボディメイクを目的に元々トレーニングしてきましたが2020年よりパワーリフティング競技者となるべく自身のスタイルが変わりました。指導内容は解剖学に適切に沿いながらレベルを問わず基礎基本を丁寧に、そして応用やパワーのテクニックを加えて指導します。ボディメイク指導が最も得意としていますが今後はパワーリフティングの指導もできるように精進します。