KONDOです。
「大豆」って聞くと「女性ホルモン」ってワードが
関連して思い浮かぶ人が多いと思います。
”大豆イソフラボン”が女性ホルモンに似た作用がある
ということから女性に嬉しいと栄養素
と認知されていますが、果たして・・・
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンとは
大豆イソフラボンとは、主に大豆の胚芽に多く含まれるフラボノイドの一種であり、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインの3種類の非配糖体(イソフラボンアグリコン)と、それぞれに3種類の配糖体(ゲニスチン、ダイジン、グリシチン)、配糖体のアセチル化体、及びマロニル化体が知られています。味噌、納豆等の大豆発酵食品中には大豆イソフラボンアグリコンが多く含まれますが、ほとんどの場合、食品中では大豆イソフラボン配糖体として存在しています。
大豆イソフラボンはの働きは
大豆イソフラボンは、植物エストロゲンのひとつといわれ、その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ているため、エストロゲン受容体に結合することから、促進的あるいは競合的に種々の生体作用を発揮するとされております。なお、大豆イソフラボン配糖体はそのままではエストロゲン受容体に結合しませんが、体内で大豆イソフラボンアグリコンに変化して、上記のような生体作用を現します。 この生体作用により、骨粗しょう症の予防や更年期障害の軽減等に有用と言われております。
豆腐100gあたり平均で20mg含まれ
納豆100gあたり平均で74mg含まれ
豆乳100gあたり平均で25mg含まれます。
(大豆イソフラボンアグリコン)
記載の通り食品中に含まれている大豆イソフラボンは
大豆イソフラボン配糖体として存在しており
これが腸内細菌などの作用によって糖部分が分離し
大豆イソフラボンアグリコンとなります。
gの換算値は0.625で、
例えば大豆イソフラボン配糖体が20mgでしたら
それに0.625掛けた12.5mgが
大豆イソフラボンアグリコンの数値となります。
上限摂取量
大豆イソフラボンアグリコンに変化すると
女性ホルモンを促進し生体に作用するとしており
これだけ見ると女性にとって文字通り嬉しい
成分ですね。
ただし上限摂取量が設けられております。
大豆イソフラボンの安全な摂取量上限としては
大豆イソフラボンアグリコンとして70~75mg/日。
大豆イソフラボンに上限摂取量が存在している
ということを知らない人が非常に多い印象です。
これは日本において味噌や豆腐、納豆など
食卓に馴染みある食材であるため
=健康食品 的な位置づけで考えている方が
多いからかなと思います。
確かに低カロリー且つたんぱく質源、
食物繊維やカルシウムの摂取源として優秀なのは明白です。
この摂取量上限は70~75mg/日という数字、
前述の豆腐や納豆、豆乳の100g換算での
平均値を再度見直してみてください。
そうです、割と簡単に行きます。
平たく言えばコンビニ等で売られている
紙パッケージの豆乳を300㎖分飲めば
上限値に到達します。
納豆1日1パック食べて、豆腐半丁食べて
豆乳を飲むような生活をしていれば
毎日上限を超えるような生活になります。
実害はあるのか
フランス食品衛生安全庁(AFFSA)では、植物エストロゲンに関する報告書(2005年3月)「食品から摂取する植物エストロゲンの安全性及び有益性−勧告」において、植物エストロゲンの摂取による健康影響(リスク)が考えられない量として、大豆イソフラボンアグリコン1mg/kg体重/日を示しております。また、大豆たん白を主成分とする調理食品を摂取する乳幼児は、その食品中の植物エストロゲンを1mg/lに制限すべきとし、乳がん患者及び本人又は家族に乳がんの病歴のあるヒトは、腫瘍増殖及び増大のリスクを考慮し、摂取を制限すべきとしております。
米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)では、2005年に、大豆及び大豆イソフラボンの健康影響について、心臓血管への影響、更年期障害への効果、内分泌機能への影響、がん細胞の増殖作用、骨への影響等の観点からヒト試験の報告を検討したところ、大豆たん白質、大豆から抽出されたイソフラボン類の内分泌機能、月経周期、及び骨への効果については、裏付けがないとしております。
イタリアにおいては、2002年7月、植物エストロゲン、大豆イソフラボンを補完した食品による一日摂取量を80mg/日を超えないようにとの勧告がだされており、イスラエルにおいては、幼児における大豆食品の消費が制限されること、及び乳児については摂取させないことが推奨されたとの情報があります。
米国心臓協会(American Heart Association)では、大豆たん白質と大豆イソフラボンに関する最近の試験報告を評価し、大豆イソフラボンについては、更年期の症状に対して低減効果は見られず、また、乳がん及び前立腺がん等の予防と治療に対する効果と安全性については確立していないこと、臨床報告の結果が乏しく、副作用の可能性もあることから、大豆イソフラボンを含む食品や錠剤の摂取は推奨できないと結論しています。
この様に国によっては様々で異なります。
こんな感じで大豆イソフラボンに対しては
賛否両論といった感じで、とかく上限摂取量が
設定されているものだと認識してほしいです。
文献
女性が大豆イソフラボンの大量摂取により
子宮内膜増殖症リスクを高めた
日本人女性における大豆食品や
大豆イソフラボン摂取と子宮内膜癌の
リスクに関連性無し
まとめ
こんな感じで相反する文献があります。
あまりネガティブな印象を持たれていない大豆食品ですが
こんな感じで上限摂取量が設けられている
という事実があります。
筋肥大にはマイナスに働くおそれがありますので
女性だけでなく男性も摂取量には注意してほしいです。
良さそうとイメージが先行して摂り過ぎには注意しましょう。
容易に上限摂取量に到達するので
わざわざ大豆イソフラボンが添加されたり
パッケージなどに強調表現された製品を
買わないようにしましょう。
上限摂取量には注意でいっぱい食べようとはしないように
くらいのニュアンスですので食べるなという訳ではないですよ。