みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、体幹の固定、動作の安定に必要な筋について
記事にしていこうと思います。
体幹の固定は必要なぜ必要?
体幹の固定が必要な理由は、
フォームを安定させ、対象筋への負荷を分散させないためです。
身体がブレれば、バランスを取るために
不必要な力みを作るからです。
基本的に力めば、肩に力が入り、
肩甲骨は動きと連鎖していきます。
体幹の固定・安定のために
必須の筋肉として、
今回は”腹横筋“を挙げていきます。
腹横筋は第7~12肋軟骨(内側面)、
胸腰筋膜(深層)、腸骨稜(内唇)、上前腸骨棘に起始があり、
腹直筋鞘(後葉)、白線に停止があります。
背面から前面にかけてコルセットのようになっている筋肉です。
腹横筋には上肢が動くより先に
収縮がかかるフィードフォワード作用があります。
このフィードフォワード作用は、
腹横筋に収縮を掛けることで、
上肢が動く際に生じる、
重心の変化などの外乱に対して、
安定させるために働いています。
腹横筋の非活性化は、
外乱に対して脊椎が不安定な状態での
動作に繋がってきます。
例えとして、フロントレイズです。
フロントレイズでは肩関節屈曲を行い、
重さを身体の前方に持ち上げる動作です。
この時に、このまま重さを持ち上げるだけでは
バランスを崩すため、重心を後ろにズラそうと
身体は反応します。
この時に本来は、上肢が動くよりも先に、
腹横筋が収縮し、脊椎、体幹の固定を行うはずですが、
非活性化状態の場合、脊柱起立筋だけで支えようとしてしまいます。
こうなれば、腰を反るなどして体制を保持するかもしれません。
そうなれば腰の痛み、疲労感などが出る可能性があります。
安定していない分、重量も扱えない可能性もあります。
また、腹横筋は腹腔内圧(IAP)にかなり関わってくる筋肉です。
腹圧が上手くかからなければ、
BIG3などでの挙上重量にも大きく関わってきます。
もちろんのこと、怪我にも繋がります。
ある研究において、腰痛持ちの人ならば、
上肢の屈曲・外転・伸展運動において、
腹横筋の収縮開始が有意に遅延し、
上肢運動における外乱に対して脊椎を
安定させる準備が出来ていなかったという結果もあります。
(論文の許可などは得られないと思うので、
参考にした書籍のリンクを貼っておきます。
脊椎の分節的安定性のための運動療法)
これは腹横筋が収縮が遅延するから腰痛になったのか、
腰痛だから腹横筋の収縮が遅延したのかは判明していません。
鶏が先か卵が先みたいな感じです。
ただ、腰痛と言っても様々あるため、
特異的腰痛なのか非特異的腰痛なのかは分かりませんが。
個人的に腹横筋において重要なのが、
胸腰筋膜(深層)との繋がりがあることです。
スクワットやデッドリフトに、
胸腰筋膜の緊張は必須だと考えています。
腹横筋の非活性化・動きが出ていない場合、
付着のある胸腰筋膜の緊張が作りだしにくいと思っています。
胸腰筋膜の浅層部分はよく言われるクリスマスツリー、
広背筋の起始腱膜です。
これは上肢側の部位になりますが、
深層部分は骨盤から頸椎まで繋がる体幹の部位、筋膜になります。
この深層部分に緊張が作り出せないとなると、
背面側が緩みやすくなり、大きな種目での安定感に
影響してくるのではと考えています。
スクワット、デットリフトのスタート姿勢でよく言われるのが、
頸椎後屈を入れてはいけないです。
これはポステリオールチェーンが使えなくなるからと言われますが、
この胸腰筋膜(深層)にも由来するのではないかなと考えています。
※この胸腰筋膜については書籍などの知識でなく、
プロテウスなどの解剖書からのあくまで個人的な考えになります。
では腹横筋の活性化方法は?と。
骨盤前傾の人、後傾の人など様々な人がいます。
アプローチの仕方は人それぞれなので、
これで良くなりますなどは書けません。
同じ方法でも痛みが出るかもしれませんので、
私の責任逃れのために、自身でお調べくださいませ。
まとめ
トレーナーとしての経験上、慢性的に痛みや腰を動かす恐怖がある方は、
腹圧がかかりにくくなる傾向があります。
これはトレーニングには悪影響以外の何物でもないです。
トレーニングをする際に、
表層筋と言われるアウターマッスルには目が行きます。
ただ、深層筋の補助、安定があってこそ、
表層筋がしっかりとした出力を得ることが出来ます。
なので、表層筋はトレーニングをしっかりし、
深層筋も活性化を維持できるような
コンディショニングは必須であると考えています。
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