みなさまこんにちは。
パーソナルトレーナーの亀山です。
今回は、心血管疾患と身体活動のパラドックスについて
論文を引用し、記事にしていこうと思います。
パラドックスというのは”逆説”。
正しそうだけど、正しくない。
正しくなさそうだけど、正しい。
そんな感じです。
男性なら一度は通る厨二病時代に通る道ですね。
全能者のパラドックスとか、テセウスの船とか
みんな調べますよね。私だけじゃないですよね。
私は痛い奴じゃないですよ。
論文
身体活動は、心血管疾患および全死亡率の予防手段です。
しかし、最近の研究では身体活動の健康効果は、
それが行われる領域に依存することが観察されています。
余暇時間の身体活動は、心血管疾患および
全死亡リスクの低減と関連しているが、
職業的身体活動におけるこれらの関係は不明である。
本研究では余暇時間の身体活動は
主要有害心血管イベント(MACE)および全原因死亡リスクの低減と関連し、
職業的身体活動はリスクの増加と関連するという仮説を検証した。
コペンハーゲン一般人口調査の20~100歳の
女性および男性104,046人を対象に、
2003年~2014年にベースライン測定を行い、
中央値で10年間の追跡調査を行った。
参加者は、身長、体重、安静時血圧、
余暇の身体活動、職業上の身体活動、
学歴、生活環境、社会経済的地位、
喫煙、飲酒、食事、服薬状況、
体力消耗度のスコアなどの情報を得ました。
心血管疾患の情報は、登録データに基づいています。
4つのカテゴリーによる自己申告に基づいて、
7,913人(7.6%)のMACEと9,846人(9.5%)の
全死因による死亡を観察した。
余暇時間の身体活動が低い場合と比較して、
MACEの多変量調整済(ライフスタイル、健康、生活、環境、社会経済的要因)
ハザード比は、中程度で0.86(0.78~0.96)、
高いで0.77(0.69~0.86)、非常に高いで0.85(0.73~0.98)であり、
職業的身体活動が高い場合の対応値は、
それぞれ1.04(0.95~1.14)、1.15(1.04~1.28)、1.35(1.14~1.59)であった。
全死因死亡率については、余暇時間の身体活動が高いと対応するハザード比は、
0.74(0.68~0.81)、0.59(0.54~0.64)、0.60(0.52~0.69)
職業的身体活動が高いと対応するハザード比は、
それぞれ1.06(0.96~1.16)、1.13(1.01~1.27)、1.27(1.05~1.54)でした。
同様の結果は、ライフスタイル、健康、生活環境、社会的経済的要因に関する層、
および追跡調査をの最初の5年以内に死亡した人を除いた場合にも見られました。
身体活動の2つの領域レベルは、
MACEのリスクおよび全死亡リスクに相互作用しなかった。
例えば、最近の研究では、余暇の身体活動は
全身の炎症マーカーである高感度C反応性タンパク質と有益に関連しているが、
職業的な身体活動が有害なレベルと関連していることが分かりました。(※1)
仕事中と余暇中の身体活動では、
身体活動の特徴の違いによって説明されることが示唆されています。
余暇中の身体活動は、主に高強度かつ短時間の動的な活動で構成されているのに対し、
職業上のの身体活動は、低強度かつ長時間の静的な活動で構成されています。
4つの余暇時間身体カテゴリーと、
4つの職業的身体カテゴリーの相互作用の分析では、
高い余暇時間身体活動と低い職業的身体活動の
組み合わせを持つグループが、MACEおよび全死亡リスクが
低いことが示されました。
重要なことは、余暇時間の身体活動と職業上の身体活動の間に、
MACEおよび全死亡リスクに対する相互作用が見られなかったことです。結論
余暇時間の身体活動が多いと、
MACEおよび全死亡のリスクが減少する一方で、
職業上の身体活動量が多いとリスクが増加することが、
それぞれ独立して関連していた。
2種類の身体活動がMACEおよび全死亡リスクと
独立して関連しているという結果は
身体活殿パラドックスを裏付けるものである。
まとめ
職業上の身体活動が低く、
余暇時間に身体活動を出来るほどの
余裕がある方は長生き出来そうですね。
今回の論文における結果は個人的には面白いものです。
あくまでこのようなデータがあるぐらいに思っておいてください。
余暇時間における運動はメリットがとても多いです。
様々な疾患の療法としても運動は取り入れられています。
大多数のヒトが健康的であるためには、
運動は必須であると思います。
”今”健康だから運動しないもいいと思います。
長い目で見たときに維持するのは簡単でも、
衰えた”モノ”取り戻すのは大変ですよ。